執筆者:ピーター藤尾(在サンテイアゴ)
「2025年12月29日~2026年1月4日」
「政治」
1)ボリッチ動向
今週の最大の話題はアメリカのベネスエラ侵攻でしょうね。トランプの好きなようにアメリカが他国に侵略するのが認められるのが不思議です。ボリッチは承認できる行動ではないとテレビのカメラの前ではっきりコメントしています。もちろんベネスエラファンクラブのチリ共産党はアメリカの犯罪行為は認められないとしています。
トランプの暴行を国連で議論してほしい、また人権裁判所などに訴えてトランプの考えを裁く必要があると私は思いますが。
アメリカ大使のコメントですが、これはチリとアメリカの関係に大きな影響はないとしています。もちろんその真意はボリッチは毎回トランプを批判するが、3月からの新政権はそれとは全く違った動きをするだろうでしょう。
土曜日の未明にアメリカ軍のベネスエラ侵略が始まりましたが、その日、一日中テレビのニュースはそれを取り上げました。山火事問題などなかったかのように。
それから政治関連ですが、チリに着任した新イスラエル大使とモネダ宮殿で会いました。ボリッチはイスラエルのパレスティナ攻撃を批判していますから、新大使との面談はあまり喜ばしいものではなかったでしょうね。その大使はイスラエルの状況は明らかによくなってきているとコメントしました。
その他のボリッチの動きはいつものようでした。2025年度の文化賞の授与式で芸術・科学関係者を前に皆さんはチリの誇りですとしました。
2025年に市民は「変化を願った。もっと安全な毎日が送れる環境、不正・汚職のない社会にしたい」とした。これは私が言っているのではありません。日曜の新聞の社説です。はっきりボリッチは役に立っていないとしているわけです。あと2か月の政権です。
厚生大臣の母親が入院して手術
病院に手術を待つ患者が長い列をしているわけですが、厚生大臣の母親は救急病棟に入り、その日のうちに手術をしました。こうした不正は許せないとし、野党側議員から同大臣の交替を訴える声が出ました。もっともボリッチは何もしていませんが。
ニュージーランドのチリ大使パカラチがイースター島の住民にもっと権利を与えましょうと発言しました。左翼議員がその大使を辞任させようとしています。左翼系は先住民を援助するのではなかったかな?その島を勝手に自分たちの領土だとチリ政府が発表したのですが。
2)カスト動向
アルゼンチン・エクアドルに続いて今回はペルーを訪問します。
そしてあと2週間に迫った新内閣の発表の準備に追われているようです。大統領選挙に右翼側の候補者になったカイセルを大臣にするようです。
そうした元気な動きとは逆に先の選挙で、最低投票受領率5%、議員数4名に届かなかった8つの党が廃党の危機に面しています。右翼のエボポリ党など私は投票したことがありますが。
「経済」
1)銅価格と為替
銅価格は1ポンド5.72ドルでしたが、週の途中5.88ドルまで上がり、また新記録です。為替は1ドル907ペソとペソ高維持です。株式市場IPSAは10481ポイントで終えましたが、途中10521ポイントになった日もあり過去最高を記録しました。
なんだか毎週、新記録となっていますが、いつまでこの好調が続くのでしょう?
昨年の数字ですが、為替は1ドル1000ペソくらいで始まり900ペソで終えました。ペソ高が確認されました、銅価格は43%の上昇でした。しかしもっと素晴らしかったのは銀と金です。銀は150%、金は65%アップでした。そしてチリの株式市場は57%のアップでした。じゃ、何に投資をしても大きな利益が出るの?と言われますね。今年はどうでしょうか?
ガソリン価格が木曜日から大幅値下げです。
2)GDP
中銀発表の数字ですが、1-11月の合計は2.3%でした。財務省予定の1年で2.5%になるためには12月は3.8%アップが必要ですが、無理でしょうね。
「一般」
1)年末年始
チリ全土で打ち上げ花火大会がありました。
一番有名なのはビーニャとバルパライソの沖で行われる花火大会でサンティアゴから大量の車が出て行きました。そして海の間際の道に車を止め、花火を見ながら食べたり飲んだりするわけです。
サンティアゴは中心部のエンテル塔の花火大会に会場に35万人、そしてその外に50万人が集まったとか。12時からの打ち上げ花火は20分続き28000発の花火が上がったらしい。それを最後まで見て、その後、酒を飲んで仲間と新年のお祭りをするわけです。ゴミの量が120トンもあったとか。その量は異常ですね。その晩、地下鉄は特別に夜中の1時半まで運行されました。
全国で149件の交通事故があり12人が死亡しました。35人が飲酒運転で逮捕されました。
首都圏から南に向かう幹線道路の5号線が山火事で通行不能になり多くの車が動けず、一夜を明かしました。
2)火事
南部のニュブレ・アラウカニアそしてラゴスの3州で山火事が継続です。
それから首都圏のあちこちに火事が起きています。先週、登山教室で行ったサン・カルロス山岳公園は山火事で入山出来なくなっています。1000ヘクタールも燃えています。それで今週は登山は不可能。来週は行けるかな?
悲しい出来事はその消防に当たっていた消防員が死亡したことです。暑い気温に消防服を着て、厳しい仕事を続けていると体調が悪くなり、それでも仕事を止められなかったので限界を越えて死亡してしまったとか。厳しい。
3)犯罪
12月の途中までの数字ですが殺人事件が54件あり、2万人近く逮捕されました。それは前年対比9%アップとか。自慢できることではありません。
火曜日にサンティアゴの中心道路アラメダでデモがあり、車両の走行が止まりました。貧困層のグループが自分たちにも家をよこせと要求しました。
これが3月にカスト政権になったら日常化する抗議運動だと思います。そのデモ隊は新左翼系でした。違法なデモは取り締まる必要がありますが、ボリッチは何もしませんね。
土曜日に中央駅地区などでベネスエラ人のグループが国旗をもって集まり母国の情勢を喜びました。すごい数でした。テレビのニュースでもう10年間も子供に会っていませんが、これで母国に帰る可能性が出てきましたと喜んでいました。その集まりのあった場所がゴミの山になっていたとか。チリ人もベネスエラ人も同じですね。
私の住むビルの守衛の一人や妻の看護婦もベネスエラ人です。彼らはチリの中にどこにでもいます。
「2026年1月5日~1月11日」
「政治」
1)ボリッチ動向
隣の州に入り、バルパライソやビーニャを訪問しました。同地区の鉄道の新しい汽車に乗って「速度が上がり快適さが良くなるなんて乗客には最高のプレゼントです」とコメントしました。
べネスエラ問題
先週から、毎日この問題がチリのテレビのニュースの中心です。
ボリッチがトランプのやっていることは世界の発展のために人類が共有してきた考えを拒否するものだ。どうして世界の国の首脳がトランプに抗議しないのかとしました。駐チリのアメリカ大使は先週はアメリカとチリの間に大きな問題は無いとしましたが、今週はボリッチの考え方をアメリカは受け入れることは出来ない。トランプを罵倒するのかと厳しい声明を出しました。確かにアメリカはベネスエラの次にキューバとメキシコに攻め込むと言う噂も出ていますね。
そのためボリッチはトランプがチリに制裁をかけてくるかもしれないとするコメントを出しています。トランプの性格を考えると誰でもそう思いますね。トランプはそれならボリッチに何をするでしょう。
「ベネスエラの国営石油会社は以前はアメリカの民間会社のものだった。今、それを自分たちの手に戻す」としていますが、それならチリのコデルコ銅公社はどうなるでしょう。50年ほど前にアジェンデがアメリカの銅の会社を国有化しました。それを倒したピノチェット軍事政権も、その会社をアメリカに戻そうとはせず国営化を継続しました。トランプが「ボリッチは何かと俺を批判するが、それならコデルコを取り返そうか」とするかもしれませんね。軍事力ではチリはアメリカには勝てるはずはないです。
トランプがコデルコを取り返そうとしたとき、ボリッチが、「その時ちゃんとその会社を接収する費用を払わせてもらっています」とすると、トランプは「馬鹿野郎、おれはその金額の10倍をお前たちに払う」と言うかな?
カストは自分が大統領になる3月以降ならそんな話は出るはずがないと考えるでしょうね。
さてそのベネスエラ人ですが、2024年の国勢調査でチリに住んでいる彼らの数は67万人でした。つまりチリにいる移民の42%はベネスエラ人です。彼らがチリに入ったのは2017年から2019年の3年間に何とベネスエラ移民のほぼ半数の48%が入国したとか。そのうち21万人はチリの年金システムに加入しています。今回の騒動に関し、すぐにでも母国に帰りたい、様子を見てから帰る、このままチリに住む付きたいがほぼ3分の1づつとか。政府の予想で60%のベネスエラ人が母国に帰るとチリの労働人口が3%減少すると言われます。
チリとベネスエラの比較ですが、2023年にチリは輸出は940億ドルでした。輸入は850億ドル、一方ベネスエラは輸出は76億ドル、輸入は100億ドルです。一桁違いますね。
さてチリ人とベネスエラ人ですが、同じ人種です。日本におられる方は理解できないかもしれませんが。チリの人口の約10%が先住民の子孫です。ベネスエラの場合、詳しい数字は知りませんが恐らく似たような数字でしょう。その先住民はチリとベネスエラでは異なりますが、90%の人口を占める移民は欧州のスペイン・イタリアなどから来ており、それはチリでもベネスエラでも同じです。つまり人種は同じになります。それからチリもベネスエラも同じスペイン語を使っています。細かい点では相違がありますが、それは東北弁と関西弁と言った違いです。
ベネスエラの件ですが、
元ベネスエラ軍のオヘダが反政府運動家として24年にチリで殺されましたが、それはマドゥロの指示で行われたとしてチリ検察の捜査が続いています。そのチリ側が持つ情報をアメリカに送り、彼の裁判の中で検討することになりそうです。
私がトランプ批判を続けると、藤尾さん、世界の動きが分かっていませんねと言われるかもしれませんね。トランプのやっていることは世界の新しい動きの一つで、今までの人権とか平等などは古い考えになるのですよ・・・しかしトランプのやっているのは勝てば官軍スタイルで昔からあるやりかたです。彼がその動きを続ければ第3次世界大戦が起きることになるのでは?
国連総長の職にボリッチはバチェレットを推薦していたのですが、いまだに正式に登録できません。外務省が結論を出さないのですが、政府内で彼女が以前にその役をしていた時、ベネスエラなどの左翼の国に必要以上の援助をしたと見られたとか、現在はチリ政府が彼女を推してもカストはどう出るか分かりませんから、今、彼女をチリ政府が公認して後で取り消されたらメンツがないでしょうか。困難な状況ですね。
ボリッチの他の動向です。
新最高裁長官
グロリア・チェベシッチが女性で初めて長官に就任しました。ボリッチはモネダ宮殿で彼女を励ましました。
優秀学生41人招待
全国統一大学入試が終わり、その試験でトップの成績を収めた41名の学生をモネダ宮殿に招待し、褒めました。今週、その結果を手にして高校生は大学と入学手続きをします。首位クラスの人はどこの大学・学部でも入れますが、中より下のクラスは他の学生の点数と競争して最後が決まります。
消防団訪問
山火事が継続していますが、ボリッチはその航空消防団を訪問し、頑張ってくださいと依頼しました。
大使交替
駐ニュージーランドのチリ大使パカラチが今月末でその職から外れることになりました。彼女は父がラパヌイ人、母がチリ人です。今回、ラパヌイ人はもっと独自の道を歩けるようにしようとするコメントをしたので議会でそうした人間を大使にするのはどうかと批判が上がり、外務省がそれを受け彼女を外したもの。ただボリッチは彼女を外務省の幹部職員に置いておくつもりの様です。もちろん3月にカストが彼女をどう扱うかは分かりません。
「ラパヌイをラパヌイ人の手に」となればチリ南部をマプチェの手にと言うことになりますからね。
2)カスト動向
ペルーを訪問して同国大統領と面談。不法移民のコントロールなどについて話し合ったのでしょうね。
3月の新政権のベースになる大臣の名前が挙がっています。財務大臣はキロスになるとか。すでに数人の名前が確認されています。来週あたりに全員の名前が発表されるとか。
カストは機会があると現政権の違いをコメントしますが、それはボリッチ批判と見られています。当然ですね。
「経済」
1)銅価格と為替
銅の価格は1ポンド5.9ドルで終わりましたが、週日に6.02ドルまで上がり新記録。為替はドル897ペソと久しぶりに800ペソ台になりました。ペソ高が継続です。円安と全く違いますね。そして株式市場IPSAは10968ポイントまで上がり過去最高でした。どうして過去最高が継続するのでしょうか?
2)物価上昇率IPC
12月の数字が発表されました。何とマイナス0.2%で1年で3.5%となりました。まぁまぁですね。
統計で貧困層と言われる層が2022年は6.5%だったのですが、2024年にそれが4.9%に減少しました。少なくなったのは60万人とか。
高速道路の通行費が1月から上がりました。68号線の場合、一般車両は2700ペソ。軽4貨物車は4000ペソです。
新車の販売は昨年は31万台で前年対比2.7%の上昇でした。
3)最低賃金
2025年の最低賃金の比較ですが、アメリカは1257ドルでした。ラテンアメリカではコスタリカが1186ドル、チリが1138ドルでした。ブラジル・アルゼンチンはチリの半分ほどです。中国はそれより低くチリの半分以下です。
ところでベネスエラは何と2ドルでただ働きのようです。
「一般」
1)山火事
サンティアゴ一番人気のある観光地の一つサン・クリストバルの丘で山火事が起きました。現在までに全国で2443件の火事が起き、13413ヘクタールが燃えました。
全国、すべての州で火事が起きています。燃えた面積が一番多いのは首都圏です。その中で一番ひどかったのは1000ヘクタールを超えたサン・カルロス山岳公園です。
2)犯罪
北部にあるイキケのフリーゾーンで中国マフィアの事件が起きました。そこで何かの商売をしようとする組織に嘘の情報を渡し騙し取るのですね。なんでも400人も騙されてその被害額は2億ドルになるとか。被害者にアメリカ人が多いとされました。多くの中国人とチリ人の合計39名がこの事件で逮捕されました。しかし中国人マフィアがチリで目立ちますね。
いつも出てくるサンティアゴのメイグ地区で発砲事件が起き死傷者が出ました。
最大の不法住民がいる隣州のサン・アントニオ地区で明日から住居の崩壊作業が始まります。先ず2000家族の家とか。順調に進むでしょうか、暴力事件が起こるでしょうか、裁判所に訴えが出てまた延期になるでしょうか?今日のテレビのニュースで心配する住民の話が出ました。
3)労働組合
チリの労働組合連合CUTは共産党が中心になって活動していますが、今週、刑務所の組合と手を組んで刑務所正常化を図るよう政府に訴えました。3月以降、毎月・毎週同じようなデモが起きるでしょう。
「2026年1月12日~1月18日」
「政治」
1)ボリッチ動向
いつもと同じように行動しました。南部のビオビオ州に行って海軍の訓練を見学したり、首都圏の国立図書館に幼稚園を開園してお祝いしました。
それからバチェレットの国連総長の職に関してチリ大統領として応援したいとしました。子供の遊びの様ですね。もしそれが本気なら外務省に指示を出して国連にチリ政府の名前で彼女を公式にその職に登録させ、他の候補者と争わせるべきでしょう。
与党の分裂
中道左派の社会党が共産党や新左翼と同じ陣営にはいられないと与党連合から抜け出そうとしています。政権最後の段階で最悪の事態になりましたが、ボリッチの基盤の共産党・新左翼は政権を運営する力が無かったわけです。ボリッチは左翼の連合を訴えていますが、誰も聞かないのでしょうね。その分裂が続けばこれからチリは右翼政権が継続します。もっとも右翼側も極右の共和党とその他の政党の摩擦はひどくなるでしょうが。
この大統領選挙でカストに負けたハラは所属する共産党から離党すると言われています。選挙の前だったら状況は変わったかもしれませんが。
2)カスト動向
まだ大臣候補者が全部確定していません。あちこちでいざこざがあるようです。
彼もボリッチと同じ趣味を持っています。外遊好きです。カストは今回は中米・カリブ国を訪問するとか。
最近の世論調査ではボリッチを支持するは約30%、支持しないは約50%ですから、彼の政権は悲しい終わり方になります。と言うことは次のカストに大きな期待が持たれるわけです。恐らく彼の政権が始まってすぐの世論調査では彼を支持するは60%くらいになるでしょうね。期待感かな。
「経済」
1)銅価格と為替
銅価格は1ポン5.9ドルでしたが、一日6.05ドルまで上がり新記録。金・銀・銅と金属部門が好調ですね。リチウムも好調で、今年に入り2022年以来の高い数字が出ました。
さて為替は1ドル885ペソとペソ高が継続です。円安の日本とは大きな違いです。これが続くと、例えば、最低賃金のラ米比較でチリのランクは上がりますね。
株式市場IPSA は11311ポイントまで上がり新記録。昨年は年間57%の上昇でした。それは1993年以来の高い数字でした。このためそれをベースにする厚生年金の基金の運営にも好影響が出て昨年1年で各自の年金基金が約10%上昇したとか。一番危険度の高いA部門は 年間13%も上昇しました。日本の株式市場も新記録が出たようですね。
2)中産階級の増加
2020年に中産階級は36%が記録されていましたが、2024年にそれは47%に増加しました。つまり市民の半数が中産階級にランクされたわけです。一番下の貧困ランクは28%から17%に減少しています。つまりピニェラの時代よりボリッチの時が良くなったわけですね。逆の方向ですが、2010年には国の負債はGDPの8%でしたが、それが年々増加し、25年は43.3%になっています。カストになっても増加の方向でしょうか?
「一般」
1)犯罪
警官の発砲事件
警官だったクレスポはデモ隊員のガチカに発砲し重症にさせたので傷害罪で裁判になっていましたが、今回、無罪が言い渡されました。それはデモ隊の攻撃があって彼は自己防衛をしたとされたわけです。もちろん共産党と新左翼はこれを容認できないとカンカンになっています。ボリッチもその結審は不可解としています。
チリでは18ーOと言われますが(これはスペイン語で10月18日の事)今から7年前の社会騒乱の時の事件です。ボリッチはそのデモ隊を動かしていたわけですね。
マプチェの殺人事件
マプチェの家族間で起きた事件で、息子が母親を殺し、どこかに埋めました。2年間も死体は見つかっていませんが、親戚の人間が息子の起こした殺人事件と訴えたわけです。
サン・アントニオ不法建築問題
月曜日に不法建設の家の崩壊作業が始まりましたが、その家屋を守ろうとするグループがバリケードをして争い、16名の逮捕者が出ました。麻薬業者もそこにいたらしい。もちろんこの先も長い期間にこの問題は継続します。
ホームレスの一掃
首都圏のサンティアゴ区でホームレスの一掃が始まりました。例えばマポチョ川の川沿いに小屋またはテントを張って彼らは住み着いています。最近の45日間で1200トンのゴミが集められました。ゴミだけではなくピストル25丁とかクレヂットカード600枚とかあって、犯罪の巣になっていたことが証明されています。
2)山火事
南部のニュブレ州とビオビオ州で日曜日の朝から大規模な山火事が起きています。ビオビオ州はチリ南部の中心の州です。その州都コンセプシオン近くの山火事で18名が焼死とか。火事が迫っているのに避難しなかったのは、家具や車の盗難を恐れたからとか???
このためニュブレ州に外出禁止令が出ました。火事の現場以外の地区では家の外に出られないわけです。ビオビオ州の一部の地区にも同じ命令が出ています。
ところで火災保険に入っていなかったら家屋が全焼すれば大問題になりますね。政府の援助はあまりないでしょう。以前、同じような問題がバルパライソ州で起き、継続していますから。
山火事が各地区で市町村に近づき,町の一部の地区が全焼すると言う悲惨な状況になっています。今までに5万人が避難事態になっています。
テレビのニュースはこの火事の件ばかりです。火事が治まる様子がないので明日も明後日も被害状況は拡大していきそうです。ボリッチは今日の午後にビオビオ州を訪問しました。
「2026年1月19日~1月25日」
「政治」
1)ボリッチ動向
ボリッチがチリの大統領ですが、マスコミ・市民の目はカストに向っています。もうボリッチって忘れられたみたいです。山火事に関連してボリッチはカストをモネダ宮殿に招待し、共同して解決策を取ろうとしています。
ボリッチは先週に続いて再度現地訪問をしていますが、木曜日にその地区の野党の議員がボリッチを厳しく批判しました。「大統領はここに来て何をしているのでしょう。現地の多くの住民が食料がない。水がない、シャワーを浴びれない、トイレがないと苦しんでいるのにそれを少しでも良くする具体的な動きが全然ありません」
ボリッチが火事の現場に行くと被災者から厳しい批判の声を浴びたとか。お前何しにここに来たんや?と言われたのですね。大統領府の広報ですが、今週は現地視察とモネダ宮殿でこの山火事問題対応に集中したようです。
それから彼が関連する個人の問題に国の費用を使って弁護士を雇ったのが話題になっています。3月11日の後、ボリッチがやっていたおかしな行動がいくつも出てきそうです。新左翼議員が不正問題で裁判になっていますから、そのトップのボリッチが裁判になる可能性はありますね。
それから左翼の分裂が止まらず、社会党は新左翼・共産党とはこの先組むことは無いと公表しました。社会党はそこから分裂したPPD党、キリスト教民主党など中道左派のグループ数党と会議をしましたが、共産党・新左翼は呼ばれませんでした。ボリッチは左翼の連合を何とか取り戻したいとしています。
2)カスト動向
新内閣の発表
水曜日の夜、テレビのニュースに新内閣発表の儀式が報道されました。24人の大臣ですが、男性13人女性11人です。平均年齢は54歳。しかし若い女性が多いです、30代が3人でそのうち一人は何と30歳でした。そんな若くて大臣の仕事ができるのでしょうか?
新建設大臣は山火事の復興がカスト政権の最初の大問題になるのは間違いないとコメントしています。
カストは中米・カリブの外遊に出ました。パナマ・ドミニカ共和国などですが、エル・サルバドールでは有名な刑務所も見学するとか。それに似たような刑務所をチリでも建設するのかな?
彼は軍事政権のピノチェット崇拝者ですが、新大臣発表などの様子を見ているとそれほど極右と言う印象はありません。じゃ3月11日以降に政治に大きな変化は出ないのかな?
「経済」
1)銅価格と為替
銅価格は5.86ドルと先週より少し下がりましたが、好調です。為替は1ドル872ペソと900ペソ台をかなり下回っています。株式市場は11500ポイントまで上がり絶好調です。
2)労働ビザ
農産物の収穫期など労働ビザを取ってチリに入国する人が多くいますが、昨年は19万7千人でした。そして最も数の多かったのはボリビア人で11.7万人、ついでそれまではトップだったベネスエラ人が2.5万人でした。なんと中国人が6位で4千人もいます。
「一般」
1)山火事
山火事継続です。
南部の火事は13か所とかなり数が少なくなっています。すでに11か所の火事は消えました。今までで42000ヘクタールが延焼したとか。
817の家屋が全焼、21人が死亡しました。これとは別に首都圏の隣のバルパライソ州で火事が起き、3名が焼死しました。
南部地区は農業地ですが、この火事で農作物に1億2千万ドルの被害が出たとか。
メキシコから145人の消防隊が応援に来ました。アルゼンチンとかウルグアイからも援助が来ています。
ボリッチも政権最後の今、緊急に援助する家屋の建設を開始しました。ちゃんとトイレも付いた250軒の家が次の2か月に完成するとか。
もちろん、被災者の救援に飲料水や食品を集めて配布する作業が始まっています。
火事の現場の写真を見ると駐車していた車が、数台でなく道路に並んで長い距離で全焼になっています。一つの集合住宅が全焼しているのにその前にあるほかの建物が無事だったと言うのもあります。風の向きでしょうね。運があるかないか。
被害地に食品を作る車が行って、ホットドックを無料で配っていました。現地の人や消防隊員もそれを受け取っています。
援助として、チリの各地から救援物資が送り込まれています。ミネラル水・食品・衣服などです。サンティアゴでも区役所がその寄付を集めて送り出す仕事をしています。銀行も特別口座を作って市民の振り込みを待っています。私もその仲間に入りました。
今日の夕方、すべてのテレビ局が被災者の救援をする同じ番組を放映していました。
毎日、被害地に少しでも救援物資が継続的に届けられ、家屋の建設が始まり、良い方向に向かうよう祈りたいです。
ところで放火犯として逮捕者が出ました。なんと住居に危険が出る地区の放火の疑いとかで130人が逮捕されたとか。信じられない数字ですね。
消防車で働く消防夫に暴行を加えようとしたグループがいます。その地区に放火して消火をさせないと言う犯罪人グループですね。銀行ギャングならその意味は理解できますが、放火して山火事を起こし、それが街に延焼して地区の全焼になるなど、それを企てる意味が私には分かりません???
以 上