これまでポルトガル、モザンビーク・アンゴラの写真展を開いている写真家の作品集。ポルトガル編に31、ブラジル編にはリオデジャネイロ、レシーフェ、サルバドール、サンパウロ、オーロプレート、フォスドイグアス各地の21の写真が載せられている。副題の「郷愁」に「サウダージ」とルビを付けてあるように、すべてモノクロの写真は、師匠だった写真家の荒木経惟氏の影響を思わせ、なにか懐かしい社会、家族、知人たちや想い描く故郷を感じさせる。
〔桜井 敏浩〕
(松井 正子 窓社 2014年4月 64頁 2,600円+税)