アマゾンは地球環境問題のホットスポットです。すでにブラジル・アマゾンだけで75万平方キロメートル、20%もの森林が失われました。最近では本来湿潤なアマゾンで短い間隔で大規模な干ばつが発生しています。2000年代に入り政府やNGOなどの努力で森林破壊面積は大幅に減少しましたが、開発圧力は決して弱まっていません。現政権は、アグリビジネスの利益を擁護し、これまでの環境保護政策を反故にしようとしています。
本シンポジウムの目的は、アマゾンに暮らす民衆の環境保護のための営為を学び、どのように持続可能な社会を創造するかを考えることです。アマゾンでは1970年代以降開発と環境破壊が急速に進むなかで、セリンゲイロ(ゴム樹液採取労働者)、先住民をはじめとする民衆が、教会やNGOなどの支援を受けて、無秩序な開発に抵抗し、自然と共生する持続可能な開発を実践し国内外に提案してきました。シンポジウムでは、そうした実践のうち、アグロエコロジー、先住民運動、土地なし農民運動、ソーシャルデザインの4つをとりあげ、持続可能な社会の可能性と課題について議論し、理解を深めたいと思います。環境問題への取り組みは、アマゾンの民衆の声を聴き学ぶことで終わるものではありません。われわれには、環境問題を引き起こす経済成長と消費主義を超えて、オルタナティブな社会や生活様式の実現が求められています。パネルディスカッションがこうした問題を考える場になればと思います。皆さまのご来場と議論への参加を期待します。
【プログラム】
1.「アグロエコロジーがアマゾンを救う」…印鑰智哉(日本の種子を守る会事務局アドバイザー)
2.「先住民の現在と主体的で持続可能な未来」…下郷さとみ(フリージャーナリスト)
3.「土地への闘い 社会的再生手段としての土地なし農民運動」…石丸香苗(岡山大学准教授)
4.「ソーシャルデザイン地域文化の回復」…鈴木美和子(大阪市立大学都市研究プラザ特別研究員)
■パネルディスカッション「アマゾンからの呼びかけと私たちの社会の作り方」
【司会】マウロ・ネーヴェス(上智大学教授)/パネルモデレーター:田村梨花(上智大学教授)
【日時】2017年 11月 30日(木)17:00~19:00
【場所】上智大学中央図書館 9階 L-921会議室
【使用言語】日本語
【参加費】無料/予約不要
【詳細Web】(上智大学 イベロアメリカ研究所Web)http://dept.sophia.ac.jp/is/ibero/
【詳細チラシ】(PDF) こちらをクリック
【主催】上智大学イベロアメリカ研究所
〒102-8554千代田区紀尾井町7-1
Tel: 03-3238-3530 E-mail:ibero@sophia.ac.jp