講演会報告「スペイン人ジャーナリストが見る日本とラテンアメリカ」 - 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

講演会報告「スペイン人ジャーナリストが見る日本とラテンアメリカ」


 2014年9月26日(金)、15:00~17:00まで、東京・千代田区のフォーリン・プレスセンターに於いて、NPO法人イスパニカ文化経済交流協会とラテンアメリカ協会の共催、公益財団法人フォーリン・プレスセンターの後援を得て「スペイン人ジャーナリストが見る日本とラテンアメリカ」と題する講演会が開催されました。
 講演者には、世界第4位の規模を誇るスペインの国営通信社EFE東京支局長ラモン・アバルカ特派員をお招きし、スペイン人ジャーナリストとして、今日の日本がどのように映り、その国際関係、とりわけラテンアメリカ諸国との関係をどのように見ておられるのか、お話をお伺いしました。
 以前はロンドン支局長を務めたこともあるラモン氏は、「日本は、スペインよりもラテンアメリカに対する関心が強いと感じた」と述べ、また、「日本とラテンアメリカの間には、長い年月をかけて育んできた絆のようなものがあり、経済的にも多くの日系企業が進出している。日本政府もラテンアメリカとの関係強化を図っているようだ」「とくに日本とブラジルの関係は大変注目すべきだ。ブラジルには多くの日系人移民がおり、一方日本にもブラジル人が大勢暮らしている。ところが、リーマンショックや震災以後、日本政府はブラジル人に帰国を促す政策をとってしまった。単なる働き手として受け入れ、景気が悪くなったら帰すのではなく、もっと、日本にいるブラジル人の力を活用していくべきではないか」といった、日本の問題点についても言及しました。
 EFEは、ラテンアメリカ主要国全てに支局を開設しているが、同地域について「経済の変動など問題点はあるものの、民主主義と市場経済の面では確固としてものが出来上がっており、こうした面からもその動静に注目している」と語りました。
 会場からは、ブラジル移民問題に関する質問や、スペインとブラジルの関係、さらには中国とラテンアメリカの関係についての質問も投げかけられるなど、約60名の参加者との間で活発な質疑応答がありました。

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