イスパニカから <スペイン語圏の書籍 19冊> ご紹介 - 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

イスパニカから <スペイン語圏の書籍 19冊> ご紹介


スペイン語圏諸国の書籍19冊をご紹介いたします。
書店、ネット書店でお買い求めください。または図書館で読めるよう購入申請なさってください。よろしくお願いいたします。

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■ふたりは世界一!

著者:アンドレス・バルバ 訳:宇野和美 絵:おくやまゆか
発行:偕成社 判型:22cm×16cm 143頁

世界記録をつくるのが大好きなのっぽの女の子ベロニカとチビの男の子ホワニー
トが、世界記録をつくる旅にでる。「世界一」に取りつかれた男ののろいを解く
のが目的だ。紙の星に住むカーミー星人やおならの噴射機で空を飛ぶ仲間などに
助けられ、荒唐無稽で愉快な冒険が続く。スペイン発、幼稚園児から大人まで、
みんながハッピーになれる本。

■ウーゴ・チャベス ベネズエラ革命の内幕

著者:ローリー・キャロル 訳:伊高浩昭
発行:岩波書店 判型:四六判 318頁

2013年3月に死去したベネズエラのチャベス大統領。その政権14年の流れとチャ
ベスの実像を、英紙ガーディアンの駐カラカス記者が綴った。チャベスに接した
ことのある顧問や護衛、陳情者などへのインタビューを積み重ね、救世主とも夢
想家とも言われるチャベスの性格を分析、現在のベネズエラが直面する経済危機
の源にも迫る。優れたチャベス批判書。

■謎ときガルシア=マルケス (新調選書)

著者:木村榮一
発行:新潮社 判型:四六判変型 250頁

希代の語り部、ガルシア=マルケスが86歳で4月17日に逝った。見計らったように
出版された本書だが、実は5年前から書き進めていたという。コロンブスやセル
バンテスと、また開高健とも比較しながら、作品ごとに物語の手法も文体も変幻
自在に操ってきたガルシア=マルケスの発想の原点を探る。『コレラの時代の
愛』などの名翻訳者ならではの解説。

■ネルーダ事件

著者:ロベルト・アンプエロ 訳:宮崎真紀
発行:早川書房 判型:18.4cm×10.6cm 384頁

1973年のチリ。アジェンデ社会主義政権の末期に、キューバ人の探偵カジェタノ
は詩人のパブロ・ネルーダ(1904-1973)からある依頼を受ける。ノーベル賞詩
人であり、チリ外交官であり、同時に「愛の狩人」でもあったネルーダ。実在の
この国民的詩人を、チリ現代史の中で生身の人間として描いたミステリー。探偵
カジェタノを主人公にしたシリーズはこれまでに7作。チリでベストセラーと
なった本書は第6作。

■日本人が驚く中南米33ヵ国のお国柄(PHP文庫)

編者:造事務所
発行:PHP研究所 判型:文庫判 256頁

中南米といえばラテン、ラテンといえば陽気というように十把一絡げで語りがち
だ。しかし実はそうではなくて、それぞれの国がこんなに個性的で面白い、と分
からせてくれる一冊。中南米を、南米と中米、カリブ諸国と3つの地域に分けて
説明。暑い夏、ビール片手に地球の裏側に思いをはせて笑ってみよう。

■もこもこ、ふかふか 魔法の刺繍ステッチ

著者:ラウラ・アメバ 発行:誠文堂新光社
判型:230mm×182mm 144頁

著者はチリ人女性。小さいころからおばあさんの手仕事を目にして育ち、今はバ
ルセロナで刺繍アーティストとして働く。本書の刺繍の特徴は、専用のニードル
をプスプスと刺して絵を描くように自由にステッチができること。基本の材料と
道具、その使い方などが写真付きで丁寧に説明され、ステッチの刺し方も実に丁
寧。仕上がりの刺繍の可愛らしさに心がなごむ。

■かぞくのヒミツ

著者:イソール 訳:宇野和美
発行:エイアールディー 判型:198mm×248mm 40頁

「だって、あたし、みちゃったんだ」。家族の秘密を知ってしまった小さな女の
子は奥さまごっこをしていても気が気じゃない。もしかしたら自分にもその気
(け)があるのかもと心配に… 素直なこども目線に思わず笑ってしまう。世界で
高く評価されているアルゼンチン人女性絵本作家の作品、本邦初訳。こどもや青
少年の文学における世界最大の賞、リンドグレーン記念文学賞を受賞。

■スペインの歴史 スペイン高校歴史教科書
(世界の教科書シリーズ)

著者:J・アロステギ・サンチェス他 監訳:立石博高
訳:竹下和亮、内村俊太、久木正雄
発行:明石書店 判型:A4変型 392頁

高等学校に相当する教育課程(16~18歳)で使用されている自国史教科書。スペ
イン国内では数種の教科書が発行されているが、監訳者の判断により現場教師に
評価の高い本書が選ばれた。先史時代から現代までのうち、19世紀と20世紀に3
分の2の紙面を割いているのが特徴。また、ある出来事に対して複数の見方を紹
介している。スペイン史、歴史教科書に関心のある人に。

■13日間 キューバ危機回顧録 (中公文庫)

著者:ロバート・ケネディ 訳:毎日新聞社外信部
発行:中央公論新社 判型:文庫版 208頁

世界が核戦争の危機に瀕した1962年10月。当時米国司法長官であったロバート・
ケネディが、実兄ケネディ大統領とフルシチョフ首相との交渉や、米国国家安全
保障会議執行委員会での激論などを生々しく綴った。人間の歴史が、このように
刻まれてきたのだと静かな感動を呼ぶ。本書は1968年に邦訳、2001年に文庫化さ
れ、解説文を新たに付加して今年、改訂版として出版された。

■チューリングの妄想

著者:エドゥムンド・パス・ソルダン 訳:服部綾乃+石川隆介
発行:現代企画室 判型:四六判 544頁

チューリングとは、英国の数学者で暗号解読者。コンピュータ科学の父として知
られる。本書の主人公は国家諜報機関の暗号解読官で、呼び名をチューリングと
いう。そしてもう一人の主人公が反グローバリゼーションを標榜してサイバー攻
撃で政権転覆を計る天才ハッカー。この他にチューリングの娘、妻、上司など登
場人物7人の視点から語られる、南米ボリビアを舞台にした近未来スリラー小説。

■カタルーニャ地方の家庭料理

著者:丸山久美
発行:誠文堂新光社 判型:257mm×190mm 160頁

カタルーニャ料理の特色は、魚介類と野菜を使った料理が多いこと。海と山の幸
を組み合わせ、木の実やハーブを加え、肉と果物を合わせることも。基本の食材
とスープ、ソースなどの説明のあと、野菜とスープ、魚介、肉、ごはん・麺料
理、お菓子と続く。どれも日本で入手しやすい食材で、作り方もシンプル。スペ
インへ行ったことのないおじいちゃんやおばあちゃんの口にも合いそう。

■もっと知りたいガウディ 生涯と作品

著者:入江正之
発行:東京美術 判型:B5版 96頁

ガウディと聞けばサグラダ・ファミリアやカサ・ミラを思い浮かべる人が多い、
そのガウディの入門書。年代に沿ってガウディの生涯と作品が紹介され、ガウ
ディを育てたカタルーニャの自然・風土、その時代背景、バルセロナ都市化計画
と、その近代化に貢献したブルジョアジーのひとりひとりについても言及され
る。ガウディと同じく建築家の著者が、旅行のガイドブックには現れないガウ
ディの作品を解説してくれる。カラー写真が美しい。

■新井商店 荒井隆宏のペルー料理

著者:荒井隆宏
発行:柴田書店 判型:B5判変型 140頁

ついに、ペルー料理だけで一冊の本が登場した。ペルーは南米きっての美食の
国。古代からの食文化に、アフリカやヨーロッパ、アジアからの移民がそれぞれ
の食文化をもたらした。お米やジャガイモなどの食材は日本人の胃にもやさしそ
う。おしゃれな盛りつけもあり、でも今晩のおかずに出てきそうな家庭料理もあ
り、一つずつレシピに挑戦してみよう。

■心のリュックを軽くする
自分の環状にあやつられないための21のヒント

著者:エルサ・プンセット 訳者:宮崎 真紀
発行: CCCメディアハウス 判型: 四六判 288頁

誰もが心の中に抱えているお荷物。それを少しでも軽くして、「人生」という旅
を豊かに穏やかに過ごしていこうという一冊。自分の感情をうまくコントロール
するにはどうすればよいか? ストレスやネガティブな気持ちはどう処理するの
がよいか? 自分を見つめ直すのにも役立つヒントがいっぱいの自己啓発書。ス
ペイン発、12言語に翻訳された大ベストセラー。

■伊達侍と世界をゆく 「慶長遣欧使節」とめぐる旅

写真:篠田有史 文:工藤律子
発行:河北新法出版センター 判型:A5判 190頁

400年前、伊達正宗の命を受けて世界に旅立った侍たち。彼らの足跡を訪ねてメ
キシコ、キューバ、スペイン、イタリア、フィリピンとめぐり、当時の侍たちに
思いを馳せて綴ったフォトエッセー。侍たちが、異文化の中でもがきながらも人
としての絆を築いてくれたおかげで、著者たちはどこでも温かく迎えられたとい
う。侍たちの誇りが、時を超えて私たち日本人の誇りになる。

■ピカソの陶芸

解説・監修:岡村多佳夫
発行:パイ インターナショナル 判型:A5判 192頁

20世紀絵画の巨匠ピカソが60歳を過ぎてから没頭した陶器の製作。約20年の間に
生みだした作品は4000点ちかく。うち201点を集めて紹介したのが本書。食器な
ど、すぐそこにある日常用具に様々なモチーフが描かれる。女性や子ども・牧神
の顔、ふくろう、鳩、闘牛、山羊、魚…。「子どものように描くには一生かかっ
た」というピカソのあそび心が満喫できる楽しい一冊。

■世界のともだち13 メキシコ 織物の町の少女リセット
世界のともだち16 ペルー アマゾン生まれのウリーセス

写真と文:長倉洋海(メキシコ)/鈴木智子(ペルー)
発行:偕成社 判型:25cm×22cm 40頁

将来友だちになるかもしれない、誰かの毎日。世界36カ国で写真家が撮り下ろし
た「世界の友だちシリーズ」にメキシコの女の子リセットと、ペルーの男の子ウ
リーセスが登場。アメリカから一家そろってメキシコに戻ってきたリセット、ア
マゾン生まれだけれど今はクスコの町で勉強するウリーセス。子どもの日常と、
その周囲の環境がありのままに生き生きと語られる写真絵本。

■天国の囚人(集英社文庫)

著者:カルロス・ルイス・サフォン
訳者:木村裕美 発行:集英社 判型:文庫判 376頁

『風の影』(2006年邦訳)、『天使のゲーム』(2012年邦訳)に続く、バルセロ
ナを舞台にした壮大なミステリーの第3部。父が営む古書店で働くダニエルは親
友フェルミンの様子を不審に思い問い詰める。すると彼は、フランコ政権中に収
監されていた凄惨な過去を物語る…。恋愛小説、歴史小説でもあり、一気に読み
通せる。前2作を知らなくても楽しめるが、時間があれば読んでおこう。第4部が
待ち遠しい。

■現代スペイン演劇選集 Ⅰ

監修:田尻陽一
発行:カモミール社 判型:四六判

フェルナンド・フェルナン・ゴメス『自転車は夏のために』、ホセ・ルイス・ア
ロンソ・デ・サントス『モロッコの甘く危険な香り』、アルフォンソ・サストレ
『どこにいるのだ、ウラルメ、どこだ』、ホセ・サンチス・シニステーラ『歌姫
カルメーラ』を取り上げ、その戯曲、劇評、作者紹介、更にその作者の短篇を1
編紹介。劇評については客観性を重視し、新聞や雑誌の劇評を翻訳してある。ス
ペイン黄金世紀から現代まで、スペイン社会とその演劇をじっと見つめてきた監
修者だからこその一冊。