ラテンアメリカの政治・経済・社会分野の研究者によるラテン・アメリカ政経学会(JSLA-現在会員数約150人)が創立50周年を迎えたのを機に企画された包括的な概説書。26人の執筆者がそれぞれの専門を活かして 1.マクロ経済の安定と成長、2.経済開発の戦略と持続性、3.社会的公正、4.国際関係、5.民主主義の諸相、6.社会的排除と包摂、7.市民社会と社会運動、8.人の移動の8章24項目について、それぞれの章毎に文献リストを、また巻末にインターネットでアクセス出来るラテンアメリカ研究ソースのガイドと簡単な人名・事項索引を付けている。
ラテンアメリカの基礎知識を網羅するとともに、この地域の最近の政治、経済、社会に生じている新たな変化の重要なトピックスを分かりやすく解説していて、ラテンアメリカへの理解を助けるまとまった手引きになっている。
〔桜井 敏浩〕
(新評論 2014年11月 293頁 2,700円+税)
〔『ラテンアメリカ時報』2014/15年冬号(No.1409)より〕