スペイン語圏諸国の書籍のお知らせ - 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

スペイン語圏諸国の書籍のお知らせ


■うるわしのグリセルダひめ
著者:イソール
訳者:宇野和美 発行:エイアールディー
判型:198mm×248mm 32頁  定価:1,620円(税込)

あまりに美しいグリセルダひめ。その虜になったものはつぎつぎと首が落ち、首だけになってひめを追いかける。ひめはその首をコレクションするというシュールな物語。でもこれで話は終わらない。ひめには可愛らしい赤ちゃんが生まれ、その可愛らしさにこんどは姫の首がとれ…。アルゼンチンの女性児童文学者イソールの本邦紹介第2弾。怖いお話でもクスッとできて愉快。

■口のなかの小鳥たち はじめて出逢う世界のおはなし アルゼンチン編
著者:サマンタ・シュウェブリン
訳者:松本健二 発行:東宣出版
判型:四六変型 241頁  定価:2,052円(税込)

「童話かな?」と思って読むと、とんでもない、立派な現代幻想文学でした。ボルヘスも、ビオイ=カサーレスもコルタサルも読んでなくても大丈夫。まずはこの本で幻想文学を楽しみ、それからラテンアメリカ文学の巨人たちに挑戦してみよう。作者は幻想文学新世代の旗手と言われるアルゼンチン人女性。本作執筆時は31歳だった。

■遥かなる地球の裏側に夢を馳せた人々 南米パラグアイ在住日系移住者の声
編集代表:仙道富士郎
発行:山形大学出版会  判型:A5判 357頁  定価:1,296円(税込)

1930年代から1960年代にかけて南米パラグアイへ移住した日本人へのインタビュー集。JICA(国際協力機構)シニアボランティアとして2年間をこの国で過ごした編者が、30人近くへの聞き語りをまとめた。1歳で渡った人、自らの意思で行った人、現地生まれの人、それぞれが移住の経緯や彼の地での日常、離れて行った同胞のことなどを語る。南米の小国にこんな思いで生きた日本人が居るという貴重な証言集。

■死んだ人形たちの季節(集英社文庫)
著者:トニ・ヒル 訳者:宮崎真紀
発行:集英社 判型:文庫判 456頁  定価:994円(税込)

スペイン発の警察ミステリー。主人公はカタルーニャ州警察の警部サルガド。アルゼンチン人でバツイチ。ひとり息子を愛し、別れた妻への思いを引きずっている。ある少年の転落死を調べるが、事件は人身売買やドラッグ、いじめなど、バルセロナが抱える様々な問題が絡みあい複雑至極な様相に。終盤は「こうかと思えばああ」の連続で先が読めず、最後の最後まで楽しめる。

■用水路の妖精(ニンフ)たち
著者:フランシスコ・ウンブラル
訳者:坂田幸子 発行:現代企画室
判型:四六判 306頁  定価:2,808円(税込)

1940年代後半のフランコ独裁下、因習と宗教に絡めとられたスペインの地方都市を舞台に、性に目覚めつつ、文学青年たらんと葛藤するひとりの少年の成長が描かれる。著者ウンブラル(1932~2007)は革新派の新聞ELPAIS紙のコラムニストであり、フランコ独裁体制終了後の新時代の息吹を、文化面や風俗面で自在に論じた。セルバンテス賞を2000年に受賞した。

■現代スペイン演劇選集Ⅰ
監修:田尻陽一
発行:カモミール社  定価:4,860円(税込)

スペイン黄金世紀から現代まで、スペイン社会とその演劇をじっと見つめてきた監修者が、フランコ死後に焦点をあててスペイン演劇を紹介した一冊。本巻では『自転車は夏のために』、『モロッコの甘く危険な香り』、『どこにいるのだ、ウラルメ、どこだ』、『歌姫カルメーラ』などを取り上げ、その戯曲と作者を紹介。また当時の新聞・雑誌の劇評を翻訳して紹介してある。

■バスク初文集 バスク語最古の書物
著者:ベルナト・エチェパレ 訳者:萩尾生・吉田浩美
発行:平凡社 判型:A5判 240頁 定価:3,000円+税

スペイン公用語のひとつバスク語は、周辺のインド・ヨーロッパ語と異なる謎の言語だ。そのバスク語で印刷された最古の書物の邦訳が本書。16世紀半ば、一人の司祭が著した約18編の詩から成り、主題は宗教と愛、バスク語賛歌の3つ。
「バスク語よ、世界に出でよ」と謳った書物について、装丁説明に始まる解説が読者を16世紀にワープさせる。現存するたった一冊の書物が与えてくれる読書のよろこびに感謝!

■だいじょうぶ カバくん
著者:ダニエル・ネスケンス
訳者:宇野和美 発行:講談社
判型:A5変型 64頁 定価:1,300円+税

動物園にいて人間のことばを覚えてしまったカバくん。女の子に檻からだしてもらい、生まれ故郷のアフリカに帰るつもり。でもアフリカがどこにあるのかわからない。それより何より、カバくんが道を歩いていても公園で遊んでいても、ピザ屋でピザを食べていても、だれもびっくりしない。なんとなく、へん。ユーモラスで、おとなも子どもも楽しめる絵本。

■ユニクロ対ZARA
著者:齊藤孝浩
発行:日本経済新聞出版社
判型:四六判 288頁  定価:1,500円+税

バルセロナでもなくマドリードでもない、ガリシア州の一都市から世界ブランドに成長したアパレル産業のZARA。このファッショナブルなZARAを、ベーシックカジュアルのユニクロと徹底比較したのが本書。消費者の目を織り込んで取材してあるので、アパレルに無縁な読者でも十分に理解できて楽しめる。今度ユニクロやZARAに入ったら、店内を見る目線が少し違っているかも。

■海の光のクレア
著者:エドウィージ・ダンティカ 訳者:佐川愛子
発行:作品社
判型:四六判 288頁  定価:2,400円+税

西半球の最貧国、カリブの小国ハイチ。7歳の少女クレアの母は彼女を生むとすぐに亡くなり、貧しい漁師の父は子どもにより良い生活を願ってある女性に託すことを決める。クレアの父と母、クレアを託される女性とその夫、子、そして彼らをとりまく人々に喪失と死がつきまとうが、母なる海に囲まれた村では日々の営みが続き、希望さえもうかがわれる。クレア7歳のその一夜に、ぎゅっと凝縮して語られる美しい物語。

■ピカソⅠ 神童1881-1906
著者:ジョン・リチャードソン 訳者:木下哲夫
発行:白水社 判型:菊判 802頁 定価:12,000円+税

ピカソとその未亡人ジャックリーヌの全面的協力を得て執筆された評伝。ピカソの人生に密接に関わる作品とその時代がつぶさに描かれる。全4巻中のこの第1巻は1991年出版、生い立ちから25歳で「アヴィニョンの娘たち」を描くまでの修行時代を扱う。著者は英国の美術史家。1991年に本書で英国の権威ある文学賞ウイットブレット賞で伝記部門賞を受賞。

■ピンクー にじのでるばしょ
作・絵:オルガ・デ・ディオス
訳者:美馬しょうこ 発行:(株)ワールドライブラリー
判型:22.6×25.0 32頁 定価:1,500円+税

木も家も子どももみんな真っ白なのに、ひとりだけピンク色のピンクー。大きいし、何をやっても目立つこと目立つこと。ある日、皆にさよならを言ってべつの場所をさがしに行った。たくさんの昼と夜をあるいて行きついたところは…

■コモエスタ・ニッポン
 世界で最も読まれているスペイン語ブログのひとつは日本ガイドだった
著者:エクトル・ガルシア  訳者:濱田真由美、濱田和久、関佳代
発行:宝島社 判型:四六判 264頁
定価:1,400円+税

2004年から東京在住のスペイン人が書いたブログが書籍となり、スペインでベストセラーに。本書はその邦訳版。外国人にとって日本はどんな国なのか、とてもわかりやすく素直に書いてある。しかも日本への愛に満ち溢れていて読んでいる日本人もびっくり。本書を読んだあと、最新のブログをスペイン語で読んでみよう。www.kirainet.com
月平均100万人が訪れる世界有数の人気ブログだ。

■パナマ運河/おもちゃの国の貨物船(鳥のように世界を旅するパラパラPHOTO)
著者:旅する鈴木
出版社:いろは出版
判型:10mm×5mm 64頁 定価:1,050円+税

手のひらサイズで世界の幻想的な風景を楽しむ写真ブック。ページをぱらぱらめくると景色がコマ送りとなって変化する。また全部の裏ページに鳥のイラストが描かれ、これもコマ送りとなって動いて見える。パナマ運河のほか、アンダルシアのひまわり畑、ラパスの夜景、ウユニ塩湖が発行されている。

■世界のジャガイモ料理 南米ペルーからヨーロッパ、アジアへ。郷土色あふれる100のレシピ
著者:誠文堂新光社 編
出版社:誠文堂新光社
判型:247mm×185mm 224頁 定価:2,800円+税

紀元前にアンデスで生まれ、16世紀にヨーロッパへ渡り、世界各地へと広まっていったじゃがいも。荒れ地でも収穫でき、保存もきいて栄養満点。そんな愛すべきじゃがいもが世界各地でどんな風に食べられているのか、100のレシピで知ることができる。また原産国ペルーで年に一度開催される「じゃがいも祭り」にあつめられた500種類もの写真を眺めるのも楽しい。

■コカイン ゼロゼロゼロ 世界を支配する凶悪な欲望
著者:ロベルト・サヴィアーノ
訳者:関口英子・中島知子 出版社:河出書房新社
判型:四六判 528頁 定価:2,600円+税

イタリアやロシアのマフィア、メキシコやコロンビアの麻薬組織、中米エルサルバドルの青年ギャング団…コカインを巡る地球規模の動きをとらえ、世界の市場経済がどう動いているのかを明らかにする。著者はイタリア人ジャーナリスト。犯罪組織カモッラを扱った『死都ゴモラ』は世界的ベストセラーとなった。

■宮廷人 ベラスケス物語
著者:西川和子
発行:彩流社 判型:四六判 240頁
定価:2,500円+税

王女マルガリータに始まり、スペイン黄金世紀の宮廷画の主人公たちを次々と取りあげて読み解いてきた著者が、今回は画家ベラスケスに焦点を当てて解説する。セビージャでの修業時代、マドリードに出るいきさつ、2度のイタリア旅行と、それぞれの時代の絵を追いかけ、宮廷画家であると同時に宮廷人としての出世街道を上り詰めたベラスケスの生涯を描く。

■ブエノスアイレスに消えた
著者:グスタボ・マラホビッチ
訳者:宮崎真紀 出版社:早川書房
判型:18.4cm×10.6cm 600頁 定価:2,300円+税

1999年4月のある日、ブエノスアイレスで暮らすファビアンとリラの愛娘がベビーシッターとともに姿を消す。夫婦仲はますますこじれ、警察の捜査も行き詰まる。ファビアンは私立探偵と一緒に娘を探すが、たどり着いた事件の真相はあまりにも苛酷だった。映像のような物語展開であきさせず、読み終わった後にすぐに読み返したくなるアルゼンチンミステリー。

■カルティエと王家の宝石
著者:川島ルミ子
出版社:集英社インターナショナル
判型:A5判 208頁 定価:2,800円+税

『王の宝石商』と呼ばれるほど世界の王室から信頼が厚いカルティエ。スペイン王室も1904年にアルフォンソ13世が御用達にした。その妃が1920年にオーダーしたティアラ(王冠)は7粒の大粒パールにダイヤをあしらったプラチナ製。本書は英国、スペインなど7か国の王室をとりあげ、豊富な写真とともに王家の存亡と宝石が辿った数奇な運命を描く。

■ドニャ・ペルフェクタ 完璧な婦人
著者:ベニート・ペレス=ガルドス 訳者:大楠栄三
発行:現代企画室 判型:四六判 380頁
定価:3,000円+税

夏目漱石と同時代のスペインの国民的作家ペレス=ガルドス初期の代表作。19世紀後半のスペインの架空の村オルバホッサ。保守派の多いこの村に、留学経験もある進歩派の青年ホセが、ドニャ・ペルフェクタの娘と結婚するためにやってくる。一見すると良い人間にみえる人々が、自らの考えをペルフェクタ(完璧)と信じるがゆえに他者との対立を深めてゆくさまを描く。

■ルイス・バラガン 空間の読解
編著:大河内学+廣澤秀眞+明治大学大河内研究室
出版社:彰国社
判型:B5変型判 144頁 定価:2,700円+税

ルイス・バラガン(1902-1988)はメキシコを代表する建築家。メキシコシティにあるバラガン邸は世界遺産に指定されている。本書は2度にわたる現地での実測調査、写真撮影などに基づき、3年の歳月をかけてその建築の魅力を読解した。建築素人にはうれしい驚きの書であり、専門家にはさらにイマジネーションを刺激される書だろう。

■アメリカ大陸のナチ文学
著者:ロベルト・ボラーニョ 訳者:野谷文昭
発行:白水社 判型:四六判 272頁
定価:2,500円+税

ノンフィクションのようなタイトルだが、30名におよぶ架空の右派作家たちの人名事典であり、短い伝記でもある。ナチス・ドイツの残党が長く南米大陸に潜んでいたという史実がこのタイトルの背景にある。著者ボラーニョはチリ生まれ、1973年ピノチェット将軍のクーデターを実体験した。夭折したラテンアメリカ文学旗手の初期の傑作。

■スペイン語で奏でる方丈記
著者:鴨長明 訳者:伊藤昌輝
出版社:大盛堂書房
判型:四六判 192頁 定価:1,700円+税

「ゆく河の流れは絶えずして…」という『方丈記』の冒頭は誰もが知っている日本の古典。見開き2ページに、そのスペイン語訳と日本語原文、現代語訳をまとめて表記した。スペイン語訳は詩的。それに合わせて日本語原文も詩形式だ。シンプルでわかりやすいスペイン語なので、スペイン語を読むほうが理解が早いかも?
本書は日本翻訳出版文化賞特別賞(第51回)を受賞。

■グルブ消息不明    はじめて出逢う世界のおはなし スペイン編
著者:エドゥアルド・メンドサ  訳者:柳原孝敦
出版社:東宣出版
判型:四六変型 231頁 定価:1,900円+税

バルセロナに到着した宇宙人二人組の一人、グルブが消息不明となる。この行方を追って、もう一人が街を歩き回り人類を観察するというSF風物語。慣れないうちは歩行も困難でよく車に轢かれたりするが、人々と知り合い恋心も覚え、徐々に人間化してゆく異星人。つい「愛しい」と思ってしまう読者が多いのでは?
著者は2015年フランツ・カフカ賞を受賞。

■キューバ写真集 ブエナビスタ
写真:竹沢うるま
発行:創芸社 判型:B5判132頁  定価:3,700円+税

なんとキューバの爺さんたちのカッコいいこと!
いや爺さんだけでなく、しなやかな体躯の少年たちも、幼児も犬猫も、たくましく生きている感が見てとれる。崩れ落ちそうな外壁、ピカピカに磨き上げたクラシックカー…。おりしも50年余の国交断絶を解消すると決めた米国とキューバ。
革命の痕跡が残るキューバを、今、記憶にとどめよう。

■チェ・ゲバラ 旅・キューバ革命、ボリビア (中公新書)
著者:伊高浩昭
出版社:中央公論新社
判型:新書判 308頁 定価:880円+税

伝説の革命家、チェ・ゲバラの評伝。著者は30年以上ラテンアメリカを取材してきた元ジャーナリスト。異邦人でありながら従軍医師としてゲリラ戦に参加したゲバラの実像に迫りつつ、キューバ革命、米国との断交、キューバ核ミサイル危機など、現代史を活写。米国との国交回復に沸く今、この小さな島国の歴史とそれを担ってきた人々を振り返ってみよう。

■ロリア侯爵夫人の失踪
著者:ホセ・ドノソ 翻訳者:寺尾隆吉
発行:水声社
判型:四六判 176頁 定価:2,000円+税

自他ともに認める絶世の美女、ニカラグア人外交官の娘ブランカは、マドリードでロリア侯爵と出会い結婚するが、愛を到達できないままに夫は他界する。その後、次々と繰り広げられる男性遍歴。「あり得ない」と思いつつもどんどん読み進んでしまう官能小説。著者は1960年代のラテンアメリカ文学ブームの立役者の一人といわれるチリ人作家、ホセ・ドノソ。

■スペイン・ワイン
著者:大滝恭子。永峰好美、山本博
出版社:早川書房
判型:四六判 256頁 定価:2,400円+税

ワインは歴史と人間によって創られる、だからスペイン・ワインは人なつっこく、明るくおおらかだ…こんなスペイン・ワイン賛歌の気持ちで紹介された本格的な入門書。栽培面積は世界一なのに、どうして生産と流通でフランスやイタリアに後れをとったのか、歴史からひも解く。またブドウの原産品種や原産地呼称(DO)など、ワインを選ぶ際に役立つ情報も満載だ。

■概説 近代スペイン文化史
編著:立石博高
出版社:ミネルヴァ書房
判型:A5判 388頁 定価:3,200円+税

18世紀から現代までのスペイン文化史を一冊で学べる本。第1部では政治・社会の歴史を踏まえながら、文化や思想の大きな流れを明らかにする。この時代、スペインはハプスブルグからブルボンへと王家が変わり、また悲惨な内戦を体験した。第2部では言語や文学、美術、映画、フラメンコなど多彩なスペイン文化を紹介。どこからでも読みはじめられて便利。

■ドン・キホーテの世界 ルネサンスから現代まで
編著:坂東省次、山崎信三、片倉充造
発行:論創社
判型:四六判 296頁 定価:2,500円+税

世界の名著『ドン・キホーテ』後編が刊行されて今年で400年。それを記念して、ミュージカル「ラ・マンチャの男」を1200回以上も演じてきた松本幸四郎をはじめ総勢20人の執筆者が、それぞれの思いや研究成果を発表している。セルバンテスと演劇について、作中人物サンチョ・パンサやドゥルシネーアについての他、諺や語彙についてなどはスペイン語学習者にも興味深い。

■バイクとユニコーン
著者:ジョシュ 訳者:見田悠子
発行:東宣出版 判型:四六判変形 199頁
定価:1,800円+税

台所からレバーステーキを盗んだトラ猫に仕返しをしようと待ち構える8歳の少年、壁の両側でじっと見つめ合う〈青いハーレー〉のポスターと〈白いユニコーン〉のタペストリー、部屋の中でどんどん大きくなってゆくキメラの卵… わくわくドキドキして、ちょっと怖いところもある短編集。ファンタジーの中にキューバの現実が垣間見える。これが21世紀キューバのマジック・リアリズム?

■怒りの玩具
著者:ロベルト・アルルト 訳者:寺尾隆吉
発行:現代企画室 判型:四六判変形 260頁 定価:2,800円+税

著者は1900年、ブエノスアイレスの移民家庭に生まれた。10歳で放校処分となり、書店員やレンガ職人、港湾職員などを転々とした。底辺の人々の生活と怒り、孤独をみずみずしく描いた本書は、自叙伝的小説のデビュー作。「怒り」という負のエネルギーで読者を引きずり込み、しかし読み終える頃にはいっそすがすがしい気分にさせる、不思議な小説。

■ハメス・ロドリゲス 信じる
著者:ネルソン・フレディ・パディーリャ
訳者:金関あさ、ゴンサロ・ロブレド
発行:実業之日本社 判型:四六判 264頁 定価:1,600円+税

ハメス・ロドリゲス。コロンビア代表のイケメン・サッカー選手、23歳でレアル・マドリードの10番を背負う男。小さい頃から日本のアニメ『キャプテン翼』に夢中で、ピッチでの友情や勇気、優しさを翼から学んだという。この若きファンタジスタがどのようにして生まれたのか、解き明かす。著者はコロンビア内戦関連の報道で数々の賞を受賞したジャーナリスト。