細菌学者で1985年にブラジルとの共同研究等で何度も訪れ、その間に興味をもったブラジルでの出来事、経験を綴った27編のエッセイ集。
ブラジルの人種間の相性やかつての奴隷貿易、犯罪・治安、邦字新聞、資源大国とファベーラ(貧民窟街)、ハイパーインフレーション、パンタナールや北東部の海岸リゾート、アマゾンの熱帯雨林、サンフランシスコ河やチエテ川の自然と環境、ツキを背負った男ルーラ前大統領と懲りない男コーロル元大統領、義賊ランピオンなどについて、私見を交えた解説をブラジルの専門家ではないが実によく資料を調べて書いている。
〔桜井 敏浩〕
(文芸社(文庫版) 2015年7月 214頁 700円+税 ISBN-978-4-286-16309-3 )