講演会のご報告「山田 彰 駐メキシコ日本大使」 (2016年1月25日(月) 開催) - 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

講演会のご報告「山田 彰 駐メキシコ日本大使」 (2016年1月25日(月) 開催)


 2016年1月25日15:00~16:00、東京・千代田区の富国生命ビル28階第1会議室において公務帰国中の山田 彰駐メキシコ日本大使による「躍動するメキシコ-日墨関係の新たなステージへ」と題する講演会を、米州開発銀行アジア事務所との共催で開催しました。講演の主なポイントは以下のとおりです。

 メキシコのペニャ・ニエト大統領と安倍首相は同じ年(2014年12月)に10年余の野党時代を経て政権の座についたという共通の経験を持ち、日墨交流年(2013~14)に相互訪問し、親しい関係を築いてきている。
 ブラジル、中国など新興諸国経済が低迷する中で、メキシコは健全なマクロ経済政策、積極的な自由貿易政策および対内投資誘致政策により、大規模かつスピーディな構造改革を進め、産油国でありながら輸出に占める石油の割合は、かつて8割近く占めていたのが2015年には5%を切るまでになり、脱石油化をうまく進めてきた。

 石油輸出に代わって輸出の約80%を占めるのは製造業品であり、製造業を担っているのは主に外国直接投資である。①若い人口構成と豊富な労働力、②低く安定した労働コスト、③(米国に近く、両大洋に港を有する)地理的条件を活かしたメキシコの優位性が日本をはじめ海外からの直接投資を招いた。現在、メキシコは自動車の製造拠点となりつつあるが、すでにポスト自動車産業に向け動き始めている。大水深の石油開発、航空宇宙、医療機器、医薬品などの分野への投資・輸出の増加である。

 メキシコには、治安、教育、貧困・格差問題、インフラ不足等の課題があるが、いずれも対応可能である。現在、日墨関係は「他に類を見ないスピードで深化している」。

■配布資料はHPイベント>配布資料に掲載されています。
会員限定となりますので、ご了承ください。


講演者:山田 彰駐メキシコ日本大使