【演題】ガブリエル・ドゥケ駐日コロンビア大使講演会
―新任大使が語るコロンビアの現状と将来展望―
【日時】2016年11月15日
【場所】フォーリン・プレスセンター
【講師】ガブリエル・ドゥケ駐日コロンビア大使
日本コロンビア友好協会との共催で、9月に着任されたガブリエル・ドゥケ駐日コロンビア大使をお招きし、コロンビアの現状と今後の展望について伺いました。約80名の方にご参加いただきました。講演の要旨は以下の通りです。
・サントス大統領は、平和・平等・教育の3本の柱を掲げ、国内改革に取り組んでいる。また、国際的には、麻薬撲滅、安全保障、気候変動などで他国との協力関係を深めると共に、特にアジア・大洋州諸国との関係強化に努めている。
・コロンビアは生物多様性が高く、自然豊かな環境を誇りにしており、観光地として世界的に注目されている。世界的な旅行ガイドブックで、2017年に訪れるべき国のベスト10に選出され、観光客も増加している。
・同国のGDP(国内総生産)は中南米4位、人口は3位(韓国とほぼ同等の約5,000万人)。特に過去10年、貧困率は急速に低下するなど、中南米でトップクラスの経済成長率を維持している。積極的な外資開放政策により、ビジネス環境の良さで高い評価を得ている。
・日系企業は約80社が進出し、自動車、化学、食品など、多岐の分野に渡わたる。経済連携協定は47ヵ国と締結済み。日本とのEPA(経済連携協定)交渉は大詰めを迎えており、残された相違点は双方の努力でクリアできると信じている。
・現在、コロンビアは太平洋同盟のメンバーであり、同盟の発展効果に期待を寄せている。また、OECD(経済協力開発機構)加盟を目指し、2013年から準備を進めてきた。2017年には承認される見通しだ。
・今年9月にコロンビア政府は左翼ゲリラ組織コロンビア革命軍(FARC)との間で内戦終結に合意した。半世紀続いた内戦終結が評価されサントス大統領はノーベル平和賞を受賞した。一方、和平合意の是非を問うた10月の国民投票では、反対が賛成を僅かに上回り、和平案が否決された。理由は、国民への情報不足、合意内容の不明確さ、ゲリラ側に譲歩しすぎといったことが挙げられる。国民投票の結果を踏まえ、サントス政権は直ちに国民からの提案500件を精査・検討し、合意内容を56カ所修正、11月12日にFARCと新和平案で合意を得た。大統領の和平プロセスは後退することなく、交渉相手との対話を続け、反対派にも丁寧に説明をしていく姿勢を堅持しており、個人的には和平実現を楽観している。
講演後には出席者と質疑応答が行われ、内戦終結後の避難民の帰村問題や、半世紀も内戦が続いた理由などの質問にお答えいただいた。
【配布資料】
■「COLOMBIA」
ドゥケ駐日コロンビア大使 作成
※配布資料はHPイベント>配布資料に掲載されています。会員限定となりますので、ご了承ください。
ドゥケ駐日コロンビア大使
会場の様子