スペイン語の名作短編小説10編を原文で味わうことで、スペイン語らしい文章の語彙、リズム、展開を味わいつつ、あわせそれぞれの小説の背景にある文化や暮らし、人々の考え方や感じ方をも知りながらスペイン語を学ぼうと、対訳と丁寧な文法・文型などを付した解説書。
スペイン本国から4人、ラテンアメリカからはキューバ(レイナルド・アレナス)、ニカラグア(ルベン・ダリーオ)、ペルー(フリオ・ラモン・リベイロ)、チリ(バルドメロ・リリョ)、ウルグアイ(オラシオ・キローガ)、アルゼンチン(レオポルド・ルゴーネス)の6人の、地域、ジャンルが多彩な作品を取り上げている。
各編には、作品紹介、著者紹介、対訳と文中の網掛けした語句の文法・文型の脚注、そして収録された作品から例を拾って纏め全体的に体系をもった「読解のための文法」という構成になっており、原文だけを通して読む、あるいは対訳と付き合わせ、脚注で文法・文型を確認しながら読むも良いように工夫されている。編著者は、スペイン語の飜訳や大学・語学校で教えていて、スペイン語力が身につくツボを心得ている。
〔桜井 敏浩〕
(ベレ出版 2016年11月 255頁 2,400円+税 ISBN978-4-86064-494-9 )