四半世紀前から俳句に親しんできて2冊の句集も出している著者が、2012~17年の間エクアドル大使としてキトに赴任し、長年現地で暮らしてきた邦人の人たちと「喜都(キト)句会」を立ち上げた間の句を中心に纏めた句集。赤道直下で四季のない国ゆえ季語をどうするか迷ったが、日本在住の時の思い出も含め日本の四季に合わせ、歳時記に載っていない現地の国民的な祭りなどは季語として取り扱うこととし、毎月1回キト市内で句会を催していた。
2018年は日本とエクアドルの外交関係樹立100周年にあたり、自然や歴史的建造物等魅力に富んだエクアドルに興味をもって訪れるきっかけになって欲しいという、次の句を含む自選310句集。
・赤道へ我も漂泊翁の忌
・夏の夜やイグアナは樹で夢を見る
・葬列のはるか高みにコンドル舞ふ
・似合うまで被り続けてパナマ帽
〔桜井 敏浩〕
(雙峰社 2017年10月 174頁 1,200円+税 ISBN978-4-909192-03-5 。入手希望は、直接著者へ kodakit@kitasato-u.ac.jp )