【日時】 2018年2月16日(金)15:00~16:30
【場所】 日比谷国際ビルB1会議室
【演題】 パラグアイの最近の政治・経済情勢について
~経済成長をつづけるパラグアイにおける投資優位性~
【講師】 石田 直裕 駐パラグアイ日本国特命全権大使
【後援】 日本ブラジル中央協会、日亜経済委員会、日本パラグアイ協会
【参加者】 55名
昨年6月に赴任された石田駐パラグアイ大使の一時帰国の機会をとらえ、パラグアイの最近の政治・経済情勢についてご講演をいただきました。講演資料は協会ホームページからダウンロードできます(会員限定)。
1.パラグアイ一国では人口は少ない(約700万人)が、2.9億人のメルコスール市場の中心に位置している。よくボリビアと混同し山岳国と誤解する人が多いが、実際は国土の大部分は低地の草原で、国の西半分は人口の5%しか居住しておらず、開発の余地が大きい。現在、メルコスールとEUのFTA交渉が行われており、肉の割当て量を巡り調整中。
2.政治情勢:1989年の民主化以降、5年毎に大統領選挙を行っている。今年4月22日に大統領選挙が行われるが、下馬評ではコロラド党のアブド・ベニテス候補が強いといわれる。ベニテス候補はグアラニ語が得意で親しみ易い。政策的にはコロラド党とリベラル党に大きな違いはない。
3.経済:主な輸出品は大豆、肉、ゴマ等の農牧産品と電力。ゴマは対日輸出額の50%以上を占め、日本の関東地方のゴマ油(かどや)の6割がパラグアイ産とされる。
今日(2月16日)、駐日本パラグアイ大使フロレンティン氏が天皇陛下から信任状を受取ったが、彼のミッションの一つは日本から投資を誘致すること。
4.投資のインセンティブ:
・安定した経済成長(物価が安定し、為替も安定的に推移)。
・近隣諸国と比べ極めて低い税率(10%以下)。
・メルコスール域内調達におけるインセンティブとマキラ(輸出保税加工地区)制度。
・他国との比較:電力費、人件費が安い(プラス豊富な若年層)。
・治安が極めて良い。
・日系人1万人の存在(日本人会組織10団体)と日系人に対する信頼。
・前駐日大使トヨトシ氏をはじめ、際立つ日系人の存在感。
・日本との12時間の時差(時差と日本語を利用したビジネスが可能)。
講演の後、内陸国特有の輸送問題(特に河川輸送)、アルゼンチンとブラジルという大国に挟まれてどのような国造りを目指しているのか、労働力の質の問題、等について質疑があった。
【配布資料】
なお、本講演の説明資料はラテンアメリカ協会のホームページに掲載される(会員限定)。
■「パラグアイの最近の政治・経済情勢について ~経済成長をつづけるパラグアイにおける投資優位性~」(PDF)
在パラグアイ日本大使館 作成
石田 直裕 駐パラグアイ日本国特命全権大使
会場の様子