『高校球児に伝えたい! ラテンアメリカ式メジャー直結練習法』 阪長 友仁 - 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

『高校球児に伝えたい! ラテンアメリカ式メジャー直結練習法』 阪長 友仁


著者は高校野球で甲子園に出場、東京六大学リーグで立教大学野球部の主将を務め、海外での野球普及活動でアジアのナショナルチームのコーチやガーナの代表監督を歴任、青年海外協力隊員としてコロンビアに、JICA企画調整員としてグアテマラに在勤後、ドミニカ共和国での選手育成システム、指導法を知って、以後ラテンアメリカの野球指導法を伝える活動、日本に来ている同国出身選手や日本の野球関係者の訪問のサポートを行っている。

本書は、中南米での野球事情、ドミニカ共和国の野球に出合うまで、「ハングリー精神・身体能力」だけではないその育成システムに始まり、捕ってからの送球の素早さ、柔らかいハンドリングを重視する「守備編」、パワフルなスイングで長打を打てるようにする「打撃編」の練習法、最も不人気なポジションである「投手編」の育成法、リスペクトを重視し長く活躍するように留意する「指導編」、ラテンアメリカ式野球の日本における指導例、違いを「実践編」で詳述している。「勝利至上主義」はよくないというが、その反対は楽しくやればよいではなく、子どもたちの未来を潰さぬよう勝利を最大限に目指すドミニカ式の練習法に学ぶべき点は多いという。

〔桜井 敏浩〕

(東邦出版 2018年8月 206頁 1,389円+税 ISBN498-4-8094-1594-4 )