LATIN BEAT FILM FESTIVAL 2018 - 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

LATIN BEAT FILM FESTIVAL 2018



毎秋恒例の第15回ラテンビート映画祭、本年は11月に開催されます。
今年はブラジル映画特集として5作品を上映。ほかにコロンビア、パラグアイの新作映画等も上映します。

【開催場所&日程】
新宿バルト9:11月1日(木)~4日(日)、9日(金)~11日(日)
梅田ブルク7:11月17日(土)、18日(日)
横浜ブルク13:11月23日(金・祝)~25日(日)

【回数券】3,600円(税込)※日時作品未指定・3枚綴り
【前売券】1回券(日時作品指定券)通常作品一律 1,500円
【当日券】1回券(日時作品指定券):一般 1,700円

ラテンビート映画祭オフィシャルサイト
www.lbff.jp
◆Facebook:facebook.com/LatinBeatFilmFestival
◆ツイッター:@LBFF_2018

【ラテンアメリカ関連作品】
■ベンジーニョ Benzinho
監督:グスタボ・ピッツィ/出演:カリネ・テレス、オッターヴィオ・ミュラー、アドリアナ・エステヴェス/2018年/ブラジル・ウルグアイ・独/ドラマ/95分

リオ郊外に住むイレーニとクラウスの夫婦は4人の子供を育てながら、家を買うために仕事と育児に追われる日々を送っている。生活は楽ではなかったが、イレーニは家族で一緒に過ごすことに幸せを感じていた。そんな中16歳の長男フェルナンドがハンドボールのプロ選手としてドイツに招待されることになった。イレーニは愛する我が子の旅立ちを素直に喜ぶことができない。修復不能なボロボロの我が家、夫の仕事の問題、さらには姉家族のトラブル等々、問題山積みで心が折れそうになりながらも、家族のために立ち上がる母親の奮闘を描いたファミリー・ドラマ。主演のカリネ・テレスは共同脚本も務めており、2018年のグラマード映画祭ブラジル映画部門で女優賞を受賞している。

■ハード・ペイント Tinta bruta
監督:フィリペ・マッツェンバシェル、マルシオ・ヘオロン/出演:シコ・メネガチ、ブルーノ・フェルナンデス、ゲガ・ペイショット/2018年/ブラジル/ドラマ/118分

内気な青年ペドロは、狭い部屋の中で、体中を派手な蛍光塗料でペインティングして踊るパフォーマンス動画を撮影することを日常にしている。時には金のためにユーザーからの要求に応じた行為に及ぶこともある。ペドロの唯一の家族である姉のルイザが家を出ていった後、彼と似たような動画を流すライバルの存在を知ったペドロは、部屋を出てそのライバルに会いに行く。

閉塞感の漂うブラジル南部の中都市ポルトアレグレを舞台に、デジタルな世界でしか自己表現できない孤独な青年の日常を個性的な視点で描いたアート作品。2018年のベルリン国際映画祭テディ賞受賞。

■激情の時 No Intenso Agora
監督:ジョアン・モレイラ・サレス/2017年/ブラジル/ドキュメンタリー/127分

1966年文化大革命初期の中国、1968年五月革命時のパリ、プラハ、そしてリオデジャネイロ。学生運動の高まりや東西の対立といった歴史だけでなく、その時代を生きた人々の高揚感や怒り、失望といった感情にも迫ったアーカイブ映像の数々。また当時の中国を訪問した監督の母親の映像記録や、残されたドキュメント等を、監督独自の視点でまとめ上げ、歴史の意味についても切り込んでいる。ジョアン・モレイラ・サレス監督は、日本で大ヒットした『セントラル・ステーション』で知られるウォルター・サレス監督の弟で、『Santiago』(2007)、『Nelson Freire』(2003)等のドキュメンタリー作品で数々の賞を受賞。本作では2017年の山形ドキュメンタリー映画祭で審査員特別賞を受賞している。

■夢のフロリアノポリス Sueno Florianopolis
監督:アナ・カッツ/出演:メルセデス・モラーン、グスタボ・ガルソン、マルコ・ヒッカ/2018年/アルゼンチン・ブラジル・仏/ドラマ/106分

1992年の夏。精神分析医のペドロとルクレシア夫婦は10代の子供たちと共に、ボロ車でブエノスアイレスからブラジルのビーチリゾート、フロリアノポリスへ向かう。
旅の途中、ガス欠で立ち往生した彼らにガソリンを譲ってくれたブラジル人マルコは、ルクレシアに連絡先を渡し、自分の別荘に来るよう誘う。のどかなリゾート地を舞台に、離婚の危機にある中年夫婦の心の機微をリアルに描いたヒューマン・ドラマ。『ネルーダ 大いなる愛の逃亡者』(LBFF2017)で詩人ネルーダの妻役を熱演した女優メルセデス・モラーン主演。監督は女優としても活躍するアナ・カッツ。2018年
のカルロヴィ・ヴァリ国際映画祭では審査員特別賞と女優賞を受賞している。

■サビ Ferrugem
監督:アリ・ムリチバ/出演:ティファニー・ドプケ、エンリケ・ディアス、クラリッサ・キスチ/2017年/ブラジル/ドラマ/100分

タチは、スマホで映像を友達と共有し、SNSを使ってコミュニケーションをとることが好きな16歳の女子高生。ある週末、学校の友人たちと旅行に出かけたタチは、どこか影のある口数の少ない同級生ヘネと親しくなる。だが、スマホを失くし、タチのプライベートな映像が流出したことをきっかけに、彼女の平穏だった日常が狂い始める…。スマートフォンやSNSを使ったコミュニケーションによって生じる人間関係のひずみやプライバシーの流出、10代の若者が陥りがちな孤独感等、世界共通の社会問題に鋭く迫ったシリアスドラマ。2018年のグラマード映画祭では最優秀ブラジル映画賞を受賞している。

■相続人 Las herederas
監督:マルセロ・マルティネッシ/出演:アナ・ブルン、マルガリタ・イルン、アナ・イバノバ/2018年/パラグアイ・ウルグアイ・独・ノルウェー・ブラジル・仏/ドラマ/97分

外交的なチキータと部屋で絵を描いて過ごすのが好きなプライドの高いチェラは、長い間生活を共にしてきた熟年のレズビアンカップル。二人は生活のため、チェラが親から相続した高価な調度品を売りながらなんとか生計を立てている。ところがチキータが逮捕されたことでチェラの生活は一変。一人で生きることを余儀なくされたチェラは、近所の裕福な老婦人のための運転手を始める。悩み多き中年女性の心の揺らぎを繊細に描いた心理ドラマ。パラグアイの新鋭マルティネッシ監督は長編初監督作となる本作で2018年ベルリン国際映画祭アルフレド・バウアー賞と女優賞を受賞した。2019年開催の米国アカデミー賞外国語映画部門パラグアイ代表作。

■夏の鳥 Pajaros de verano
監督:クリスティナ・ガジェゴ、シーロ・ゲーラ/出演:カルミニャ・マルティネス、ホセ・アコスタ、ナタリア・レイエス/2018年/コロンビア・メキシコ・仏・デンマーク/ドラマ/125分

マリファナの栽培・密輸産業が暗躍していた70年代後半のコロンビア。北部ラ・グアヒラの砂漠で暮らす先住民族ワユーの一族は、マリファナの密輸で冨を得ようとする者と、昔ながらの伝統的な暮らしを続けようとする者たちとで激しく対立する。コロンビアの荒野を舞台に、麻薬取引によって先住民族の文化・伝統が壊されていく様を描いた社会派ドラマ。前作『彷徨える河』が世界各国で絶賛され、コロンビア史上初の米国アカデミー賞外国語映画賞候補となったシーロ・ゲーラ監督と、プロデューサーのクリスティナ・ガジェゴ夫妻が共同で監督している。2019年開催の米国アカデミー賞外国語映画部門コロンビア代表作。

■ローマ法王フランシスコ Pope Francis: A Man of His Word  El Papa Francisco, un hombre de palabra
監督:ヴィム・ヴェンダース/出演:フランシスコ法王/2018年/スイス・バチカン
市国・伊・独・仏/ドキュメンタリー/96分

『ベルリン・天使の詩』『セバスチャン・サルガド/地球へのラブレター』『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』など、数々のフィクションやドキュメンタリーの名作を手掛けてきた巨匠ヴィム・ヴェンダース監督が、バチカン市国の協力のもと、フランシスコ法王とのインタビューを敢行。アルゼンチン人として初めて法王となったフランシスコ法王が、世界が直面している貧困、環境問題、社会問題など、さまざまな質問に対して真摯に応えている。フランシスコ法王に対するヴェンダース監督の尊敬と愛情が詰まったドキュメンタリー。

■エルネスト
監督:阪本順治/出演:オダギリジョー、永山絢斗、ホワン・ミゲル・バレロ・アコスタ/2017年/日本・キューバ/ドラマ/124分

日本とキューバの合作映画『エルネスト』は激動の時代を駆け抜け、祖国ボリビアでの抵抗運動に身を投じた“日系二世の若い戦士”の鮮烈な知られざる生涯を描いた作品である。ゲバラからファーストネーム「エルネスト」を授けられ、戦士名〈エルネスト・メディコ〉と呼ばれ、ボリビアの山中にて25歳で散った青年、フレディ前村。
短くも決然と濃厚な命を全うした彼は1941年、鹿児島県出身の父とボリビア人の母のもと生を受けた。フレディは医師を志しキューバの国立ハバナ大学へ留学。そこでキューバ危機のさなか、自分の運命を変えるチェ・ゲバラと出会い、人間的な深い魅力に心酔した彼は、やがて軍事クーデターから祖国を解放すべくゲバラの組織する部隊に参加、社会の不平等是正と貧困の根絶を胸にボリビア軍事政権へと立ち向かっていく。