【ラテンアメリカ・カリブ研究所レポート】“TPP11 (CPTPP): Its Implications for Japan-Latin America Trade Relations at a Time of Heightened Risks” (「リスクが高まる国際経済においてTPP11 (CPTTP) が日・中南米貿易関係に示唆するもの」) 桑山幹夫 | 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

【ラテンアメリカ・カリブ研究所レポート】“TPP11 (CPTPP): Its Implications for Japan-Latin America Trade Relations at a Time of Heightened Risks” (「リスクが高まる国際経済においてTPP11 (CPTTP) が日・中南米貿易関係に示唆するもの」) 桑山幹夫


本報告書は2018年12月11~12日、ワシントンDCでインターアメリカンダイアログとラテンアメリカ協会(JALAC)の共催で開催されたセミナー「Japan and LAC: Forging Quality Ties in Uncertain Times」(「日本とラテンアメリカ:不確実な時代における質の高い関係構築」)のために特別に準備したものである。本稿は未定稿のため、筆者の了解無しに引用することは差し控えられたい。

以下は、同会合で発表されたレポート、Mikio Kuwayama (桑山幹夫), “TPP11 (CPTPP): Its Implications for Japan-Latin America Trade Relations at a Time of Heightened Risks” (「リスクが高まる国際経済においてTPP11(CPTTP)が日・中南米貿易関係に示唆するもの」)の要旨(ABSTACT)の邦訳である。

米国のTPP協定からの撤退は、同協定に大きな打撃を与えたことは確かだが、米国を除く11か国間で締結される「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定」(TPP11)が、経済的かつ政治的に重要な合意であることには変わりはない。 TPP11は国際貿易規律とルールの進化の先例となる。TPP11と日・EU EPAの発効の意義は、自由貿易と多角的貿易体制を維持して行くうえで、日本とEUがリーダー的な役割を果たしていくという強いメッセージを世界に送信したことにある。TPP11は、米国の世界における指導力の後退によって起こった地政学的な空洞を、ある程度埋める可能性を秘めている。また、この空洞は、中国の「社会主義型」貿易自由主義によって埋められるものではない。TPP11がラテンアメリカにもたらす政治的意義は、米国が離脱しても、環太平洋の国々が協力しながら、ラテンアメリカ諸国が大きな関わりを持つ多角的貿易体制を擁護することにある。同時に、TPP11はアジア太平洋諸国、特に日本と戦略的関係を構築するための新しい機会と手段をラテンアメリカに提供し、同地域内での統合戦略を改新するかもしれない。現在「太平洋同盟」(パシフィック・アライアンス)と「南アメリカ南部共同市場」(メルコスール)との間で貿易・投資ルールの収束化が進んでいる。またメルコスールが進めるEU、EFTA、カナダ、韓国、シンガポールなどのアジア太平洋諸国とのFTAが締結され、日本とメルコスールとのEPAが実現すれば、ラテンアメリカ域内での貿易ルールがさらに収束化されて、開放貿易体制の強化に貢献することから、ラテンアメリカとしての地域の魅力が高まる。一方で、アジア太平洋諸国とラテンアメリカ諸国にまたがる、複雑で重複するFTA網が形成されつつあるが、このようなスパゲッティボウル現象は、避けなければならない。

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