講演会のご報告「キューバ共和国の最新情勢と今後の展望」(2019年1月29日 (火) 開催) | 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

講演会のご報告「キューバ共和国の最新情勢と今後の展望」(2019年1月29日 (火) 開催)


【演題】キューバ共和国の最新情勢と今後の展望
【講師】渡邉 優 前キューバ駐箚特命全権大使
【日時】2019年1月29日(火)15:00~16:30
【場所】新橋ビジネスフォーラム
【参加者】51名

本年1月後半に帰任された渡邉 優 前キューバ大使からキューバの最新事情をご講演いただいた。主な内容は以下の通り。

  • キューバの地政学的重要性に関し、地理的に4つの海(パナマ運河経由の太平洋を含む)の真ん中に位置し、嘗てスペイン王 フェリペ2世が「キューバを治める者は世界を征する」と述べた通り、グローバル・チェーンの結節点になり得る。
  • ニッケルやコバルトのほか、既にメキシコ湾で少量生産している石油の可能性も含め、資源の潜在性がある。
  • 通貨面では、兌換ベソ(CUC)とキューバ・ペソ(CUP)の二重為替制度の存在により、経済指標などの実態は捉え難い。一人当りGDPは約3,000ドル程度。今後、通貨統合が大きな課題である。
  • 昨年の政権交代によっても社会主義体制は変わらず、極めて安定している。反政府活動はないと言える。外交は多国間外交を展開している。2018年に憲法改正案が承認され、2019年2月24日に国民投票実施の予定。改正点の一つに外国投資促進が謳われている。国営中心の計画経済ではあるが、レストラン、ホテルなど小規模サービス業を中心に137種の自営業が認められている。
  • ディアスカネル新政権下でも、社会主義を堅持、ラウル・カストロ前政権の敷いた路線は変わらない。ディアスカネル新議長は副議長時代に訪日したことがあり、その際、東京ドームでレセプションが開催された。
  • 日本に対しては、極めて親日的。中でも古い映画の影響が今なお大きい。1970年代は砂糖の輸入で最大の貿易相手国であった。2015年に岸田外務大臣の訪問で、無償資金協力が始まった。2018年は移住120周年(日系人は約1,200人)。2019年は外交関係樹立90周年に当る。

講演後に、オバマ政権の対キューバ政策緩和により一時関心が高まった対キューバ投資の現状、米国の経済制裁の影響、キューバが望む投資条件、またディアスカネル新議長の人柄などについて質疑応答があった。

会場の様子
渡邉優氏 前駐キューバ日本大使

【配布資料】

講演会「キューバ共和国の最新情勢と今後の展望」(2019年01月29日) 配布資料よりダウンロードして頂けます。(会員限定)