執筆者:西岡勝樹(日本旗章学協会会員)
ラテンアメリカ諸国の国旗に見る不思議の第3回はホンジュラス共和国国旗の不思議である。
図1.ホンジュラス国旗
出所: https://www.presidencia.gob.hn/index.php/honduras/bandera-nacional
1866年2月17日発布、政令7号にてホンジュラス国旗が制定され、1949年1月18日発布、政令29号にて改定された。政令29号の記載は下記の通り、1866年2月16日政令7号にてホンジュラス国旗(平時)制定された。三色の平行の帯、上部と下部は青、真ん中は白。中央に青い五つの五角形の星をあしらう。(中略)。
色の色調によって青色においては違った国旗がまた星の配置には決まった場所にすべきではあるが、決めることはない、よってその面においては不調和が生じる。 使用目的により違ったサイズの国旗ができるが、その調和は尊重されるべき。平時と交戦状態の国旗の違いはサイズと色の違いというわけではない。
第一条
1866年2月16日政令7号を下記にて改正する。
第一項
ホンジュラス国旗は三色均等平行の帯から成り、上部と下部の帯はトルコブルーとなる。
真ん中は白。中央には青色の五角形の星を5つあしらう。四つの星は帯に平行に四角形の
4つの角に配する。残りの一つの星は四角形の真ん中に配する。三色の帯の幅(の長さ)は
縦(の長さ)の二倍とする。縦:横 1:2
第二項
交戦時の国旗は前項と同様のサイズとする。(中略)
第三項
平時の国旗はどの階級の碑文は使われない。
第四項
国旗の使用規定は行政府によって制定される。
第五項
1949年1月18日制定後10日後より効力となる。さらに1995年5月23日発布の政令84-95号にて改定された。 国旗の日が9月1日とする改定。
第六項
毎年9月1日を国旗の日とする。すべての国民は国旗に対し敬意を表すべきこと。
国旗の日:9月1日
図2 ホンジュラス国旗の変遷
ホンジュラス国旗は三色均等平行の帯から成り、上部と下部の帯はトルコブルーとなる。
青い帯はホンジュラスの空を表し、大西洋と太平洋の海岸に接する二つの大洋を表す。そして、兄弟愛、寛大さ、正義、忠誠、友愛、強さ、優しさ、勇気を表す。
白い帯は純潔、信仰、廉潔、服従、善良、国家愛国主義の良い方向性を導く目標を表す。
当初の政令では青はただ単に青とだけであった。その為色の色調にいくつもの種類が出てきたのであろう。ある程度の許容範囲は法令で規定していた。最終的にトルコブルーという具体的な色名が法令で決定された。トルコブルーとはターコイズブルーと言われる。水色に近い色である。
ホンジュラス国旗の中央に表されている5つの星は古の中央アメリカ連邦共和国の5つの構成国(グアテマラ、エルサルバドル、ニカラグア、コスタリカ、ホンジュラス)を表し、その統合の理想を表している。
以上