『ルイジンニョ少年 ―ブラジルをたずねて』 かどの えいこ文・福原 幸男絵 | 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

『ルイジンニョ少年 ―ブラジルをたずねて』 かどの えいこ文・福原 幸男絵


著者とほぼ同じ設定の主人公えいこは、24歳の時1959年にオランダ船に乗りアフリカ南端経由ブラジルへ渡りサンパウロでイタリア系のアマラル一家の家に下宿し生活した。ポルトガル人にアフリカ黒人の血の入った寄席芸人の夫と歌手である妻の間の9歳の息子ルイス、かわいい愛称ルイジンニョが、不慣れなえいこにポルトガル語の先生になって、サンバの踊りを教えてくれ、サンパウロの町のあちこちを案内し、いろいろな人たちに会わせてくれた。次第に一家との親交が深まり、ルイジンニョが落第した時には学校の神父さんの先生に掛け合いに行き、両親の叱責を目の当たりにしたり、ブラジルでの交通事故の当事者の言い争いと目撃した住民の裁決を見て、ブラジル人の考え方の一端を知り、ルイスの母とはフェイラ(青空市場)へ買い物にも同行するようになった。そしてカルナバルの到来、えいこはルイスとともに大好きになったサンバの輪に入って踊る。

ルイジンニョを通じて馴染んだブラジルでの2年間の生活の後に帰国し、1970年に『世界の子ども』シリーズ(ポプラ社)のブラジル編として執筆を依頼されて出した児童書の復刻版。多くのページにモノクロの挿絵が入り、表紙を含め4点のカラー絵も読者を和ませる。

〔桜井 敏浩〕

(ポプラ社  2019年1月 132頁 1,800円+税 ISBN978-4-5911-6118-0 )