執筆者:西岡勝樹(日本旗章学協会会員)
ラテンアメリカ諸国の国旗に見る不思議の第10回はドミニカ共和国国旗の不思議である。
図1 現在のドミニカ共和国国旗
出所: https://presidencia.gob.do/bandera-nacional
ドミニカ共和国憲法2010年1月26日、同日付官報10,561号発布憲法第7章にて 国家シンボルの規定がある。
国旗は二つの色すなわち青色(ウルトラマル)と赤色(ベルメリョン)から成り立つ。
交互に長方形を配し、ポール掲揚側の上部に青色を配すること。その長方形は白色の十字により分けられ、その十字の幅は長方形の幅の半分とする。十字の中央に国章を配する。
商用の旗には国章は配されないものとする。国旗の縦横は2対3となる。
ハイチからの独立のドミニカ共和国独立の指導者フアン・パブロ・ドゥアルテによって制定された。
古い法令ではあるが、1943年8月13日法令360号にて 国旗についての使用法が規定されている。国旗正面は国旗を見ている人の青い長方形は左側になる。国旗は決して地に着けてはならない。等々
国旗の日 2月27日
最初のドミニカ共和国国旗は数々の女性の手により作られた。1844年2月27日 国家独立の日に最初に颯爽と靡いた。その後、1844年11月6日国会による最初の憲法によって国家のシンボルとしての国旗が制定された。調和を重んじたため、青と赤の長方形を入れ替えた、そして世界でも最も美しい国旗のひとつとなった。さらに1863年9月14日新たに再制定されて現在に至る。
図2. ドミニカ共和国国旗の変遷
ドミニカ共和国国旗の色は独自の意味を持つ。
赤色は我らの解放者の流した血の色を。青色は発展と自由の我らの理想を、神がドミニカの国を守ることを。そして、すなわち十字は自由な国家を後世に残すべく我らの解放者の戦いのシンボルである。その十字の白色は我々に 平和と統合がすべてのドミニカの人々の心に中に息づいていることを思い起こさせてくれる。
赤:血
青:発展と自由
白:平和と統合
ドミニカ共和国憲法32条 国章について
国章は国旗と同じ色と同じ形式を整えている。その中央に聖書を置く。聖書はサンフアン『聖ヨハネによる福音書』の第8章第32節が開かれている*1。その上に十字架を置く。その形はトロフィーの形を成し、二つの槍と両側から四つの国章なしの旗が掲げれられている。
左側には月桂樹の枝を、右側には椰子の枝をあしらう。その頭上にウルトラマールの青色のリボンが掲げられ、そこには『神、祖国、そして自由』が読める。最下部にはベルメジョン赤のリボンがあり、そこには『ドミニカ共和国』の文字がある。中央の盾は長方形で、その上部は尖がっており、下部は丸みを帯びている。その下部の真ん中は少し尖がっており、長方形を形造る線は下部の曲りのカーブから二つの縦と上部の平行線とで長方形を形造っている。
*1ヨハネによる福音書 第8章32節 Juan 8:32
「そして、あなたがたは真理を知り、真理はあなたがたを自由にします」
出所:http://www.glorychrist.com/2011/12/ヨハネの福音書8章32節/
図3.ドミニカ共和国 最初の国章(左)と現国章(右)
出所:https://presidencia.gob.do/escudo-nacional