執筆者:西岡勝樹(日本旗章学協会会員)
ラテンアメリカ諸国の国旗に見る不思議の第11回はハイチ共和国国旗の不思議である。
図1 現在のハイチ国旗
1987年憲法に国家シンボルについての規定がある:首都・国色・国旗/国章・モットー
第一部 エンブレムとシンボル
第2章 国家の色 青と赤
第3章 国旗
a.二つの同幅の横平行の帯:上部 青色、下部 赤色
b. 共和国国章:自由の帽子(フリギア帽)の載せたパレット、椰子の下にトロフィー
その中に名言:『統合の中にこそ、力がある』
第4章 モットー:自由・平等・博愛
国旗の日 5月18日
図2. ハイチ国旗の変遷
独立運動当時はフランス国旗から白(王家の色)を除いた青と赤であった。その後、ハイチ国旗の色はブドゥ教の影響を受けて次々に色が出現した。
黒は民族自決権、人種継続、敵の敗北を、赤は怒り、革命、戦争、血と肉を青は自由、用心、辛抱、正義、繁栄、平和、愛国心を。
最終的に憲法にて国家の色が規定された。すなわち、憲法第二章 国家の色(ナショナルカラー)は青と赤とする。
ハイチにおいてブドゥ教は生活、文化の中にある。それは目に見えぬ力(神々である)
Claudine Michel y Patrick Bellegarde-Smithによれば ハイチ国旗の真の起源はブドゥ教にあると言う。 すなわち、赤と青はブドゥ教の戦争の神 Loa(神) と Ogou オグーを象徴している。