執筆者:西岡勝樹(日本旗章学協会会員)
ラテンアメリカ諸国の国旗に見る不思議の第11回はジャマイカ共和国国旗の不思議である。
図1 現在のジャマイカ国旗
出所:http://flagpedia.net/jamaica
ジャマイカ国旗は1962年8月6日、独立記念日に初めて掲揚された。
大法院にて下記7つの国家シンボルの使用許可を得られるとされる。
The Chancery is appointed to give permission for the use of the seven national symbols.
They are:
Jamaican National Tree – The Blue Mahoe(国木)
Jamaican National Flower – Lignum Vitae(国花)
Jamaican National Bird – The Doctor Bird(国鳥)
Jamaican National Fruit – Ackee (国果)
Jamaican Coat of Arms(国章)
Jamaica National Flag(国旗)
Jamaica National Anthem(国歌)
1999年登録マーク法12章1項においては 国章・国旗・その他国家シンボルは登録マークとしては登録はされない。別途登録には当局(特許庁)の許可は必要。
ジャマイカ下院の連立委員会はジャマイカ国旗のデザインを制定した。ジャマイカ国旗のデザインの詳細は下記となる。
4つの三角形を形造るクロス十字を配する。
クロス十字は金色、その幅はフライ(縦幅)の6分の1の幅。
上下の三角形は緑色。横両側(ポール側と外側)は黒色。
横:縦サイズは 2対1
国旗の日 8月6日 (独立記念日および国旗制定日)
図2. ジャマイカ国旗の変遷
The diagonal cross is in gold クロス十字 金色(黄色)
the top and bottom triangles are in green; 上下三角形 緑色
and the hoist and fly triangles are in black. 左右横 黒色
国のモットーにも色の意味が表れている。
“Hardships there are but the land is green and the sun shineth”.
『困難(黒色)はあるが緑豊かな国土(緑色)と降り注ぐ太陽光(金・黄色)にて克服される。』
その色の意味は下記の二つの解釈がある。黒の意味がオリジナルの解釈と現在の解釈で異なる。
オリジナルのシンボル(Original Symbolism)
黒:直面した克服すべき困難さ
金:自然の富、太陽光の美しさ
緑:希望、農業資源
1996年新しい解釈(New Symbolism as of 1996)は下記となる。
黒:ジャマイカ国民の力・想像力
金:自然の富、太陽光の美しさ
緑:希望、農業資源
当初、国旗は入札で選ばれた。その旗は横縞であったが、タンガニーカ(現タンザニア)共和国の旗(図3)とあまりにも似ているために拒否された。そして、 黒、緑、黄色のパンアフリカの色はそのままに、セント・アンドリュース・クロスの形を採用にし、現在の形となった。
図3 The Flag of Tanganyika (1961 – 1964)
出所:https://www.flagmakers.co.uk/flag-history/tanzania/