執筆者:西岡勝樹(日本旗章学協会会員)
ラテンアメリカ諸国の国旗に見る不思議の第20回はバルバドス国国旗の不思議である。
図1 現在のバルバドス国旗
出所:https://www.foreign.gov.bb/general-information/emblems-customs/the-flag-of-barbados
バルバドス国旗は1966年11月30日 制定された。
国家エンブレム・国歌法 1969年 300章Aにて規定される
その特徴:
バルバドス国旗は三つの同幅の縦帯にて構成される。
両外側の帯はウルトラマリンブルー、真ん中の帯が黄金色である。
そして、折れた三叉槍(さんさそう)の穂先が国旗中央に配される。
Grantley W. Prescodによってデザインされた。1,029作品から選ばれた。
国旗の比率は横:縦 3:2
国旗中央のシンボルが海神ネプチューンの三叉槍である、その柄は折れている、バルバドスの植民地としての歴史と法制上の束縛からの崩壊(解放)を意味している。
国旗の日(国旗制定日) 11月30日
図2 バルバドス国旗の変遷
青はバルバドスの海と空を表し、黄色(黄金色)はその海岸の砂浜を表す。
黒い三叉槍は海神ネプチューンの三叉槍を表し、折れた柄は国家の独立の象徴である。
国旗の配色は英国カラー標準番号にて下記による:
Ultramarine… … BCC 148
Gold … … … BS 0/002
The Trident of the Mythical sea god Neptune 神話の海神 ネプチューンの三叉槍。
その三叉槍の柄は折れている。それは植民地としての歴史的、制度的な結びからブレイクを意味する。
これは何を意味するのか? 長い間続いた植民地の従属からの解放を意味するのだろうか?
海の神 ネプチューンこそ、その解放者であったのかも知れない。
バルバドスの紙幣にも折れた三叉槍が見える。
写真1 バルバドス100ドル紙幣
出所:http://www.centralbank.org.bb/banknotes/banknotes/new-family-of-banknotes-the-2013-series