近年自動車関連産業を中心に日本からの進出企業が急増しているメキシコには、数多くの企業関係者とその家族が駐在している。本書は「渡墨(メキシコ赴任)が決まったら」ビザの申請、家探し、教育事情を知り日本語が通じる各種学校の入学を手配し、「メキシコに到着」して大使館・レオン総領事館への在留届け、銀行口座やクレジットカードの開設、電話・携帯電話やインターネット、ケーブルテレビを設定し、交通手段、自動車の維持関連の事情を知り、保険や緊急時対応、医療や子供用品調達など「いざというときに備える」。「メキシコで生活する」ことが始まると、料理、新聞等の情報、郵便・宅急便、生活用品の調達・買い物、チップ事情。メキシコ人と働き、税務、損害保険、ビジネス会話やメールなどで仕事をするためのやり方、レストランやスポーツ、子どもの遊び場、近郊・国内旅行などから年金制度や結婚・出産時の手続きなどの情報が盛られている。最後に「日本へ帰国する」ことが決まると帰国後の入試等の相談窓口、引っ越しの準備に至るまで、各地での具体的に説明している。 メキシコ各地の事情、祝日等イベントカレンダー、政治・経済・日墨関係の基本的な資料も付いており、懇切に赴任者の助けになる情報を満載していて極めて有用な情報源である。
〔桜井 敏浩〕
(Y’s Publishing Co.,Inc. 2018年10月 413頁 3,000円+税 ISBN978-4-8123-0101-2)
〔『ラテンアメリカ時報』 2019年夏号(No.1427)より〕