『若い読者のための考古学史』 ブライアン・フェイガン | 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

『若い読者のための考古学史』 ブライアン・フェイガン


考古学を学生と一般読者に解りやすく解説するために、世界の古代文明史の発掘調査の模様、発掘された遺跡・文物の意義、当該文明の略史を40の事例で紹介している。

世界各地の文明の事例を40章で解説しているが、うちラテンアメリカからは「6 あばかれたマヤ」で1840年にホンジュラスのコパンを訪れた米国の旅行家と英国人画家の貴重な記録を、「35 モチェの神官戦士」ではペルー北部海岸遺跡での壁画を、「36 宇宙へのトンネル」は当時世界最大級の都市の一つであったメキシコ盆地のテオティワカンの太陽のピラミッド地下のトンネルに見られるアステカ文明の宇宙観を、終章「40 考古学の現在と未来」でエルサルバドルのマヤの村セレンがAC580年頃の火山噴火で埋没したために極めて良好な保存状態で遺った遺物の解析結果を述べている。

「人々の肩越しに過去をのぞき込む」のが考古学者だと言われるが、その意義を考古学者の奮闘、考古学という学問の歴史を若い学徒に平易に述べることで、この学問の魅力を説いている。10頁にわたる巻末の詳細な索引も付いているので、関心のある文明・遺跡・発掘者から読み始めることも出来る。著者は、カリフォルニア大学サンタバーバラ校で長く教授を務めた考古学・人類学者。

〔桜井 敏浩〕

(広瀬恭子訳 すばる書房 2019年2月 2019年2月 383頁 3,200円 ISBN978-4-7991-0788-1 )