『チェ・ゲバラの影の下で -孫・カネックのキューバ革命論 インディアス群書17』 | 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

『チェ・ゲバラの影の下で -孫・カネックのキューバ革命論 インディアス群書17』


アルゼンチン生まれのチェ・ゲバラが若いうちにラテンアメリカ各地を放浪していた時、グアテマラで出会った最初の妻、ペルー生まれのイルダとの間で生まれた娘イルディーヌとメキシコの反政府ゲリラでハイジャックし、キューバに亡命していたアルベルトとの間で生まれたのがカネックである。キューバを去ってイタリアに移った両親と離れて12歳から22歳までキューバに戻ったカネックは、チェの孫らしさを求められ、住居等は厚遇されていたが居心地の悪い生活を送ってきた。1996年にキューバを離れ、メキシコに移住し、写真、音楽、文学などを通じて自己確立の道を歩み、40歳と39歳でボリビアで亡くなった祖父チェより1年だけ長く生きた。

本書は、カネックが書いた「33レヴォリューションンズ」、5編から成る「掌編集」の訳が前半に載せられているが、正面からキューバ革命の是非を論じたものではない。後段は現代企画室の太田昌国氏による「カネック・サンチェス・ゲバラのキューバ革命論の意義」と題した、カネックとは誰か、カネックが捉えた祖父チェ・ゲバラ像、カネックのキューバ革命観、フィデル・カストロ観についての詳細な解説(205~269頁)と、訳者による翻訳メモが付け加えられている。

〔桜井 敏浩〕

(カネック・サンチェス・ゲバラ 棚橋加奈江訳 現代企画室 2018年7月 276頁 3,000円+税 ISBN978-4-7738-1807-9 )