連載レポート28:ラテンアメリカ諸国の国旗に見る不思議 (第26回)ボリビア国旗 - 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

連載レポート28:ラテンアメリカ諸国の国旗に見る不思議 (第26回)ボリビア国旗


連載レポート28

ラテンアメリカ諸国の国旗に見る不思議

(第26回) ボリビア国旗

執筆者:西岡勝樹(日本旗章学協会会員)

はじめに
ラテンアメリカ諸国の国旗に見る不思議の第26回はボリビア共和国国旗の不思議である。

1. ボリビア国旗

図1 現在のボリビア国旗(国章付)
出所:http://www.mindef.gob.bo/mindef/node/165

1-1. ボリビア国旗の根拠法
上級法令 第27630号 2004年7月19日ラパスにて制定

第一章 国旗
第1条 国旗 ARTÍCULO 1.- (BANDERA NACIONAL)
ボリビア国旗は三色同幅平行帯(三色旗)、上部から赤色、中央に黄色、下部に緑色を配するる。
赤色は共和国誕生と存続のために流された英雄の血を表す。
黄色は自然と鉱物の豊かさを表す。
緑色は我々の社会の基本的な価値として、自然の豊かさと希望を表す。

第2条 サイズARTÍCULO 2.- (PROPORCIÓN Y DIMENSIONES)
国旗の縦幅 7.5(3つの平行帯のそれぞれは2.5)、国旗の横幅 11。つまり、国旗の縦横:7.5:11 となる。

第3条 色ARTÍCULO 3.- (COLORES)

下記パントーンコード 使用。
Rojo(赤)485 CVU, Amarillo(黄) Process CVU, Verde(緑) 356 CVU.

図2 国旗サイズと国旗の色PANTONEコード
出所:https://www.lexivox.org/norms/BO-DS-27630.xhtml

第4条 使用法についてARTICULO 4.- (USO)
国旗が大統領府・政府公館・議会・裁判所大使館等公的機関にて使用の場合は裏表に国旗中央黄色帯の中に国章を配するものとする。国家機関の国旗使用にはBandera Estatal(政府国旗)国章付国旗(Pabellón Nacional)使用される。


図3 ボリビア国旗(国章無)
出所:http://www.bolivianembassy.co.uk/index.php/bolivia/simbolos-patrios

1-2. ボリビア国旗の歴史

国旗の日(国旗制定日・独立記念日) 8月17日

図4 ボリビア国旗の変遷

1-3. ボリビア国旗の色

法令にて色の規定あり。
赤色:共和国誕生と存続のために流された英雄の血を表す。
黄色:自然と鉱物の豊かさを表す。
緑色:我々の社会の基本的な価値として、自然の豊かさと希望を表す。

1851年の現国旗につながる国旗改定について逸話が残っている。
『時の大統領 マヌエル・イシドロ・ベルスが国民議会出席の為、ラパスからオルーロに馬で向かっている途中、雨上がりの虹を見た、その虹は赤、黄、緑とはっきりと見えた。その色を使った国旗を議会に提案し、改定されることになった。』
出所:https://www.significados.com/bandera-de-bolivia/

1-4. もうひとつの旗、ウィファラの旗(La Wiphala o La Whipala)
 
南米アンデス地方の先住民、アイマラ族の旗。 赤、橙、黄、白、緑、青、紫の7色の正方形を並べたシンプルでカラフルな正方形の旗。
アイマラ族に限らず、南米の先住民族の団結を示すシンボルとして使われるようになりつつある。
特にボリビアでは国旗、国歌と同等の扱いとすることが憲法第2条第6項に定められている。


図5 ウィファラの旗
出所:http://www.mindef.gob.bo/mindef/node/169