『チリを知るための60章』  細野 昭雄、工藤 章、桑山 幹夫編著 | 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

『チリを知るための60章』  細野 昭雄、工藤 章、桑山 幹夫編著


エリア・スタディーズ シリーズ既刊174点のうち、ラテンアメリカの国・地域に関する20点目の記念すべき刊行は、これまで出ていなかったのが不思議だった本書のチリである。チリのサンティアゴに本部を置くCEPAL(国連ラテンアメリカ・カリブ経済委員会)で長く経済調査・国際貿易を担当したラテンアメリカ経済の研究者と、チリはじめラテンアメリカ3か国で通算22年在勤した元商社マンの3人による編著で、13人のチリで活動しまた交流してきた文学者、医学者、国際協力担当、商社員が60の項目と17のコラムを執筆している。歴史、政治経済、産業、国土と主要地域、日本との関係、そして社会と文化について総合的理解を助ける入門的知識と各項目の研究書としても有用なテーマ、内容を網羅している。
鮭、ワイン、葡萄等生食果物のように日本の消費者にも知られた日用食品だけでなく、銅、鉄鉱石、リチウム、パルプ、魚粉、硝石など日本の産業にとって重要な原料・中間財の輸入で深い関係があり、修好120周年という長い友好関係をもつチリを理解する上で極めて有用な解説書である。

〔桜井 敏浩〕

(明石書店 2019年7月 372頁 2,000円+税 ISBN978-4-7503-4858-2 )

〔『ラテンアメリカ時報』 2019年秋号(No.1428)より〕