『「食」の図書館 ラム酒の歴史』 ジョナサン・モリス  | 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

『「食」の図書館 ラム酒の歴史』 ジョナサン・モリス 


サトウキビから造られたラム酒は、厳密にはそれぞれ原料、製法が異なるものだが、ブラジルではカシャッサ、中南米では広くアグアルディエンテとも呼ばれる。カリブ海地域で奴隷により栽培され、英国人により商業生産化され、英国海軍の船乗りに士気を高めるために支給され、カリブ海を荒らし回った海賊が愛飲し、密輸や奴隷取り引き等の通貨の代わりや賄賂にも用いられた。ラム酒の生産はスペイン、ボルトガル植民地はじめ世界各地に広まったが、英米の禁酒運動が厳しくなり密造が横行して一時衰退したが、1935年の米国の禁酒法廃止以降再起し、第二次世界大戦後にはカクテルのベースとして使われ料理や菓子などにも使われ世界で親しまれている。

ラム酒の起源から広まり、それをめぐる歴史上のエピソード、現状、そしてラム酒の楽しみ方、カクテルやラム酒を使った料理の歴史と未来に至るまでを、分かり易く、読みやすく解説している。

〔桜井 敏浩〕

(龍 和子訳 原書房 2018年8月 188頁 2,200円+税 ISBN978-4-562-05558-6 )