世界各地を訪れている写真家が、2016年11月からまずメキシコのオアハカ州の山奥でシャーマンに出会い、マジックマッシュルームの儀式を受け、その後もペルー・アマゾンのイキトスで「アヤワスカ」を、アンデス高地でもクスコやボリビアのチャラサニでシャーマンの儀礼を体験し、最後に再びメキシコのレアル・デ・カトルセで幻覚サボテンを摂取し究極の幻視体験をして「ビジョン」、スピリチュアルな世界を垣間見たという。
著者はこれらの儀礼を受けた経験として、幻覚植物=危険ということはなく、現地では治療として使われているのであって、シャーマンの適切な指示で使えば後遺症に悩まされたり禁断症状が起きて、その後の日常生活に支障を生じることはないと断言しているが、幻覚植物を使っている間にレイプ事件が起きたり、幻覚症状の中で観光客が殺人を犯すことも報じられているので、シャーマンの元で儀式を受たとしても問題が起きてしまうケースが少なからずあるようだと注意を述べている。
〔桜井 敏浩〕
(彩図社 2019年8月 263頁 1,500円+税 ISBN978-4-8013-0390-4)