『奴隷船の世界史』 布留川 正博  | 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

『奴隷船の世界史』 布留川 正博 


カリブ海の孤島に漂着した英国人船員ロビンソン・クルーソーの生還物語の前段は、当時のポルトガル、オランダ、英国、フランス等欧州の国が行っていたアフリカからの奴隷入手に乗り出して乗船が難破したことから始まっている。

15世紀半ばから17世紀にかけて南北アメリカ、カリブ地域の需要に応じて盛んに行われた大西洋奴隷貿易を、本書は奴隷船を主題とした世界史であり、現代の奴隷制の様相や今なお遺る人種差別の問題にまで切り込んでいる。著者は奴隷貿易史と奴隷制史を専門とする同志社大学経済学部教授。

〔桜井 敏浩〕

(岩波書店(新書) 2019年8月 242頁 860円+税 ISBN978-4-00-43179-0)