連載レポート35:ラテンアメリカ諸国の国旗に見る不思議 (第32回) ガイアナ国旗 - 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

連載レポート35:ラテンアメリカ諸国の国旗に見る不思議 (第32回) ガイアナ国旗


連載レポート34

ラテンアメリカ諸国の国旗に見る不思議

(第32回) ガイアナ国旗

執筆者:西岡勝樹(日本旗章学協会会員)

はじめに

ラテンアメリカ諸国の国旗に見る不思議の第32回はガイアナ共和国国旗の不思議である。

1. ガイアナ国旗


図1 現在のガイアナ国旗
出所:http://parliament.gov.gy/constitution.pdf[PDF]

1-1.ガイアナ国旗の根拠法
 
ガイアナ共和国憲法 CONSTITUTION OF THE CO-OPERATIVE REPUBLIC OF GUYANA
第一章 国家と政体
第4条 国旗は「金鏃旗・黄金の鏃(ぞく)(矢の先)」と呼ばれる。添付2による。

添付2概要 Second Schedule  
英国紋章院により紹介され、金鏃旗と呼ばれる。

『緑(Vert)の旗地に右(旗の)からPile(三角)が突き出る。黄金色(or)の三角には白(argent)の縁取り、赤(gules)の三角には黒(sable)の縁取り。両Plie三角は同じベースで重なる。ガイアナ国旗は下記解釈がある。

緑はガイアナの農業と自然林を象徴している。
白はガイアナの海と河を。
黄金の矢尻は鉱物資源の豊かさと信頼を表す。
黒の縁は未来への向かう信頼を支える忍耐強さを。
赤い三角形はこの独立間もない国家前に横たわるダイナミックな自然と熱意を表す。

国旗のサイズは 陸上掲揚では縦:横 3:5、海上掲揚では2:1となる。色調:緑50、黄金24、白67、黒1となる。』

ガイアナ国旗は旗章学者、ホイットニー・スミスによってデザインされた。

1-2. ガイアナ国旗の歴史

国旗の日(国旗制定日・独立記念日) 5月26日


図2 ガイアナ国旗の変遷

1-3. ガイアナ国旗の色
五色のシンボル色

緑色:ガイアナの農産物、自然林を。
白色:河、豊かな水を。(ガイアナの言葉の由来は現地語で「豊かな水の地」)
黄金の矢:ガイアナの鉱物の豊かさを。
黒色は忍耐を。
赤色:熱意とダイナミックさを表す。

1-4. 豊かな水の地 ガイアナ
 
ガイアナとはインディオの言葉で『豊かな水の地』を意味する。
自然の宝庫であり、ベネズエラ、ブラジルとの国境にあるロマイラ山・テーブルマウンテンが有名である。そこはアーサー・コナン・ドイルの小説「失われた世界・the Lost World」の舞台でもある。


図3 Mount Roraima 標高2,810m ガイアナ、ブラジル、ベネズエラの三ヶ国国境の地に聳える。
出所:http://justfunfacts.com/interesting-facts-about-guyana/

以  上