『言葉の守り人』ホルヘ・ミゲル・ココム・ペッチ - 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

『言葉の守り人』ホルヘ・ミゲル・ココム・ペッチ 


 メキシコのユカタン半島、代表的なマヤ遺跡の一つウシュマルに近い村に住む少年「ぼく」は、マヤの文化に関する秘密をたくさん知っていて「賢人グレゴリオおじいさん」と呼ばれる祖父に呼ばれ、マヤの伝承の語り手である「言葉の守り人」に選ばれた。それから、「言葉の守り人」を継承すべくおじいさんに連れられて神々と精霊が棲む森に入り、修行を始める。風の精霊との儀式、鳥たちを呼び夢の合図を知り、通過儀礼を受けながら次第に成長し、マヤの世界観とマヤの人の人生観を学ぶ姿を描いている。
 作者はユカタン半島のカンペチェ州出身でマヤ語とスペイン語の話者。小学校教師時代からマヤ語の文学サークル活動を始め、マヤ先住民の文化を語り、詩作し、本を著しているメキシコ先住民文学のリーダーである著者が、UNAM(メキシコ国立自治大学)から2001年に出した学術書を2012年に挿絵を加えて児童向けに書き換えたもの。

〔桜井 敏浩〕

(吉田栄人訳 国書刊行会 2020年6月 221頁 2,400円+税 ISBN978-4-336-06566-7 )  
〔『ラテンアメリカ時報』 2020年秋号(No.1432)より〕