メキシコ南東部オアハカ州のマヤ系先住民のチャムーラ村に、1979年から40年間通い続けた人類学研究者がインディオの村の伝統と近代化の狭間で生きる人々と出会い、交流し、生活の様式や生業の変容などとともに、自身の研究者としての異文化社会への入り方、人間として接する心構えを考える。チャムーラ村の激変、自身の病気や骨髄移植を待ちながら23歳で亡くなった愛嬢を通して学んだこと、そして開発の名で行われる自然のいのちの破壊への思いへの交錯を淡々と語ったエッセイ。
〔桜井 敏浩〕
(岩波書店(ブックレット) 2020年2月 56頁 680円+税 ISBN978-4-0027-1019-8 )
〔『ラテンアメリカ時報』 2020年秋号(No.1432)より〕