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【ラテンアメリカ・カリブ研究所レポート】
<<ワシントン報告>>「2020年米大統領選におけるラテン系有権者の影響力」ホワイト和子
米国では、2020年大統領選を2週間後に控え、共和党候補のトランプ大統領と民主党候補のバイデン前副大統領による選挙運動が白熱している。今回の選挙は、様々な意味でこれまでの選挙と異なる状況がある。まず、米国のみで815万人が感染し、22万人の犠牲者を出したコロナ禍での選挙である。そのために、殆どの州で、通常の選挙方式とは異なる郵便投票や事前投票の採用を余儀なくされている。
さらに、今回の選挙では、ラテン系1有権者が黒人有権者を超え、初めてマイノリティー最大の有権者グループとなる。ラテン系有権者数は移民の増加、選挙権年齢に達する若者の増加によって増加傾向にあるが、今回の選挙では全有権者の13.3%に達する。ラテン系人口が多く、接戦州であるフロリダ州では、両候補の熾烈な選挙戦が展開されている。
トランプ大統領の重要な支持基盤であるフロリダ州のキューバ系は別として、通常、民主党寄りであるラテン系有権者の増加は、フロリダ州のみならず、アリゾナ州、テキサス州にも及び、伝統的な共和党の基盤を揺るがしている。COVID-19の大きな影響を受けているラテン系コミュニティーは、トランプ大統領のコロナウイルス対策が不十分であることや経済状況の悪化に伴う雇用喪失に強い不満を持っており、フロリダ州でのバイデン民主党候補優勢に拍車をかけている。
しかし、今回の選挙は、必ずしも11月3日の選挙当日に結果が判明するとは予想されていない。史上最高数の郵便投票を巡り、開票処理能力、無効票の増加、不正・妨害、再集計・訴訟などの懸念がある。さらに、選挙の結果で大統領が確定できない状況なども想定される。
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