オンライン講演会報告 『グアテマラ:コロナ後を見据えた米州地域の魅力的な投資先』(2020.11.12開催) - 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

オンライン講演会報告 『グアテマラ:コロナ後を見据えた米州地域の魅力的な投資先』(2020.11.12開催)


【演題】グアテマラ:コロナ後を見据えた米州地域の魅力的な投資先(ラテンアメリカ協会・駐日グアテマラ大使館共催)
【日時】2020年11月12日10:30~11:30(日本時間)
【場所】オンライン会議
【プログラム】

  • 開会の挨拶 佐々木AJALAC専務理事
  • 歓迎の辞  ペドロ・ブローロ外務大臣
  • PRONACOM(国際競争力プログラム)によるプレゼンテーション
    • 投資顧問 セリン・ムバラク氏
    • 投資顧問 ナタリア・サマヨア氏
  • 挨拶:駐日グアテマラ大使 クリストバル・エレラ氏

【参加者】73名

ラテンアメリカ協会と駐日グアテマラ大使館の共催による本セミナーはグアテマラのブローロ外務大臣、駐グアテマラ山元日本大使、駐日グアテマラエレラ大使にも同席していただき、80名が参加した。最後の質疑応答では、様々な質問が出されたが、PRONACOMのお二人には講演内容を補足、追加する形で丁寧にお答えいただいた。

  1. 外務大臣挨拶
  • グアテマラと日本は1935年の国交樹立以来85年、友好関係にある。
  • 日本はグアテマラにとってアジアの主要な貿易・投資相手国(コーヒーは世界で第2位の輸出相手国)
  • 今年、ショーワ・グローブが手袋工場の拡張に1200万ドルを投資。
  • PRONACOMはJETROと同様、投資の促進・誘致に当たる機関である。
  1. セリン・ムバラク氏
  • PRONACOMの役割はグアテマラへ投資をしようとしている企業にあらゆる便宜を図ることであり、経済省の傘下にある。
  • グアテマラは地政学上、米国、メキシコ、中米を主な市場とすることが出来る。
  • また、中米で最大の人口ボーナスを有し、量・質共に優れた労働力を提供できる。
  • 2019年の経済成長は8%と好調であり、インフレ率も3~4%と安定している。
  • 2019年の対内直接投資98憶ドル。2023年には12憶ドルに達すると予測。
  • 輸出を倍増し、貿易収支を黒字化することを目的としている。
  • 中米最大の経済規模を有し、対外債務は少ない。こうした政治的・経済的な安定からグアテマラは「中米のエンジン」と称され、優れた投資環境を有する。
  • 産業構造はサービス業が69%と最大の割合を占める(日本とほぼ同じ)。
  • グアテマラは両大洋に面しており、ロジスティックスの整備を優先課題としており、輸出拠点となる。特に政府は南部の輸送インフラの整備を進めようとしている。
  • 東部3カ所(Corinto, Agua Caliente, El Frorido)の税関はホンジュラスとの関税同盟上重要であり、こうした関係を他の国にも拡げて行きたい。
  • グアテマラは14の貿易協定を有しており、米国との自由貿易協定を検討している。EUとの間にはEU-中米(自由貿易)協定(EU-CAAA)がある。
  1. ナタリア・サマヨア氏
  • 現政権が対内投資の優先順位に挙げている3部門(医薬品・医療器具、アパレル・繊維、BPO・IPO)について。
  • 医薬品・医療機器部門はグアテマラで40年の歴史がある。直接雇用は8000人、間接雇用は6万人。
  • アパレル・繊維部門は輸出の約15%を占め、18万人を直接雇用。
  • BPO・IPO部門は5千万人以上を雇用しており、グアテマラの人口ボーナスを反映し、平均年齢は26才と若い。
  • BPO・IPOの技術を提供するのは、中米最大の20万人以上の大学生であり、彼らの11%は英語を話すバイリンガルである(大学生はトーフェル試験が義務付けられている)。
  • BPO・IPO産業は年平均6%で成長しており、米国との近さ、文化的背景などからいずれ1兆ドル産業になると見られている。
  • IPOのコストは米国に比べ40%、メキシコに比べ30%低い。
  • 本分野を含め、対内直接投資に占める日本の割合は小さいので今後の投資に期待したい。