雑誌マガジンハウス社で長く編集者を務めている編者が、取材中に1968 年フィンランドで生まれたUFO 型の未来住宅FUTURO を知り、以後20 年間ブラジル、キューバ、フランス、メキシコ、ジョージア、そして日本各地の、時代が生み落とした得体のしれないビックリ建築を探し続けて纏めた写真文集。
本書ではメキシコの1970 年大阪万博メキシコ館をデザインした建築家の宇宙船建築、キューバ革命後に建設されたソヴィエト連邦大使館ビル、エラレリア・コッペリア（アイスクリーム屋）、科学省、ハバナの海辺のビーチハウス Club Náutico、1950 年代に誕生したキューバ・モダンともいうべきホテル・ハバナ・リビエラや壁面にゲバラの顔のモニュメントを取り付けた内務省ビル、ブラジルのオスカル・ニーマイヤーがブラジリアを設計した後98 歳の時に内陸部に完成させた計画都市ゴイアニアの謎の建築群を多くのカラー写真で紹介し、最後に100 歳を迎える直前にニーマイヤーに直接インタビューした章を加え、彼の旧作とともに語らせている。
〔桜井 敏浩〕
（写真：森嶋一也、伊藤愼一、J-P de Rodliguez Ⅲ、Julien Donada、木田勝久/FOTOTECA、白井良邦 扶桑社 2020年10月 152頁 3,200円＋税 ISBN978-4-594-08627-5 ）
〔『ラテンアメリカ時報』 2020/21年冬号（No.1433）より〕
