トウモロコシの起源についてはいくつかの学説があるが、メソポタミアのマヤ文明で植栽され主食になり、“コロンブスの交換”の一つとして世界で食糧・飼料として広く使われている。そのトウモロコシについて、起源、種類と利用法、各地への伝搬から飲み物、酒、中米のトルティーヤ、タコス、タコス、ププサ等の日常食品やチチャなど料理・飲料法、さらに甘味料としての異性化糖、単一栽培の危険性、遺伝子組み換え作物などの近年の問題点について述べ、最後にトウモロコシをめぐる北米先住民等の間での断食・祝宴、品評会、コーンアートからトウモロコシを扱った歌と映画に至るまで網羅している。概説ではあるが、トウモロコシのすべてが網羅されている。
(桜井 敏浩)
(元村まゆ訳 原書房 2018年7月 183頁 2,200円+税 ISBN978-4-562-05557-9 )