『図説 世界地下名所百科 イスタンブールの沈没宮殿、メキシコの麻薬密輸トンネルから首都圏外郭放水路まで』 - 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

『図説 世界地下名所百科 イスタンブールの沈没宮殿、メキシコの麻薬密輸トンネルから首都圏外郭放水路まで』


表層からは見えない自然が創った、あるいは古から現代に至る人間が造った世界中の地下の光景の魅力を、各4~6頁で紹介しており、世界40か所のうちラテンアメリカからは7か所が挙げられている。メキシコのユカタン半島のセノーテ(泉の池)、酸で満ちた洞窟でもユニークな魚が生きているクエバ・デ・ビラ・ルス(明るい家の洞窟)、数千年以上前にブラジルに生息し、その後絶滅したオオナマケモノが鋭い爪で掘ったトンネル巣穴、メキシコでスペインからの征服者コルテスが滅ぼした都市国家アステカの未発掘遺跡、古代文明が築いたという説もあったエクアドル・アンデスの洞窟クエバ・デ・ロス・タヨス、米国とメキシコの間を結ぶ数十本の麻薬密輸用トンネル、突然首都グアテマラ市の市街地を飲み込んだ巨大な陥没穴と、それぞれその成り立ち、位置図、見取り図と写真とともに英国の地理学者が解説している。

〔桜井 敏浩〕

(クリス・フィッチ 上京 恵訳 原書房   2021年2月 224頁 3,200円+税 ISBN987-4-562-05907-2 )