『乾燥地の自然と暮らし – メキシコ バハ・カリフォルニア(乾燥地フォトブックシリーズ)』 藤山 英保 - 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

『乾燥地の自然と暮らし – メキシコ バハ・カリフォルニア(乾燥地フォトブックシリーズ)』 藤山 英保 


日本には存在しない砂漠や乾燥地だが、我々の食料には乾燥地の干ばつが影響してくる。乾燥地の自然や人々の暮らし、砂漠化等の諸問題を次々に取り上げ解説しているシリーズの1冊。著者は1982年以来バハ・カリフォルニアで活動している鳥取大学の名誉教授で、かつて1991年から国際協力機構(JICA)の専門家として同地に滞在している。
本書はバハ・カリフォルニアの特徴、独特の風景、多様な植物、人々の暮らし、農業と灌漑法、野菜・果樹作物、洪水農業、同地における鳥取大学の研究と学生教育を紹介し、コラムでテキーラ、コククジラ、塩田、カトリック教会、メキシコ料理の特徴、植生植物、現地教育機関との交流などを沢山の写真で楽しく、しかもそれぞれの説明を英文とともに紹介している。バハ・カリフォルニアは「悪魔の半島」と呼ばれるほど人間の生活が困難である一方、人間に侵されない自然の存在であることがよく理解できる。

〔桜井 敏浩〕

(今井出版 2021年3月 123頁 1,500円+税 ISBN978-4-8661-1228-2 )
〔『ラテンアメリカ時報』 2021年夏号(No.1435)より〕