パトリシオ・トーレスEUチリ政府代表部大使に、チリにおけるコロナの影響、エネルギー革新の状況、貿易相手国一位の中国、二位の米国との関係を含めた多国間主義への考え方に関し聞いた。
コロナに関して大使は、ワクチン接種の進捗が幸いし、55歳以上に対するブースター接種の開始と共に、経済立て直しのための特に中小ビジネス推進を促す強力な財政出動により、チリは経済回復の軌道に乗っており、2021年は7.5%成長も可能では、とコメントしている。
また、コロナ禍がもたらした危機からの再生のための重要なコンセプトとして持続可能性に言及、チリでは、エネルギー革新はコロナ発生以前から全ての産業分野で推進されて来ているとしている。現在チリの電力マトリックスを見ると、再生可能エネルギーの比率は25%、水力を含めると既に40%となっており、クリーンエネルギーへ急速な転換は、グリーン水素の一大生産国、輸出国としてチリの存在を大きく押し上げると述べている。
世界に開かれた国であるチリの国際場裏における立場と言う点では、対話と効果的な多国間主義の推進がグローバルな経済領域における分断を避けるために重要であると指摘している。チリとEUとの現在の交渉状況を例に、大使は貿易と投資の拡大のために最適な条件を創り出すため、状況の応じ二国間合意は常に更新される事が本質的に重要と信じるとしている。