連載レポート90:ブラジル日報記者コラム「ブラジル日本移民を知るためのリンク集」 - 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

連載レポート90:ブラジル日報記者コラム「ブラジル日本移民を知るためのリンク集」


連載レポート91

ブラジル日本移民を知るためのリンク集
=無料で豊富な資料閲覧が可能

執筆者:深沢正雪(ブラジル日報編集長)

この原稿は、5月3日付けのブラジル日報のWEB版の記者コラム 「海岸山脈」に掲載されたものを、同紙の許可を得て転載させていただいたものです。

ブラジル日本移民について調べたい人にとって、かなり豊富なデジタル資料がネット上にある。写真、テキスト、音声、映像など色々な形で触れられる日本語サイトを厳選して紹介する。

1)ブラジル移民文庫(https://www.brasilnippou.com/iminbunko/

原典にあたりながら移民史をしっかり調べたい人には、このサイトが最適。移民に関する基本文献や写真集など160冊のPDF版が無料で見られるサイト。醍醐麻沙夫さんが中心になって移民100周年(2008年)プロジェクトとして完成させたもの。

移民史全体を知りたい人には『南米写真帳』(永田稠)、『在伯同胞活動実況写真帳』(竹下写真館)などで実際の写真を見ながらイメージを膨らませた上で、『移民80年史』(80年史編纂委員会)を読めば、かなり具体的な流れをつかむことができる。

戦前の農村生活や移住地の様子を知りたい人には『移民の生活の歴史』(半田知雄)や『信ちゃんの昔話』シリーズ(沼田信一・漫画牛島襄)がお薦めだ。アマゾン、バストス、アリアンサ、チエテなど各地の移住史も収録されていることから各地域の歴史も辿れる。昔の日本語教科書、日系社会の小説作品、俳句、短歌の記念誌、芸能史、相撲や野球史も収録されている。

2)国会図書館「ブラジル移民の100年」(https://www.ndl.go.jp/brasil/

移民史の大きな流れを把握するには、圧倒的な質と内容を誇るこのサイトがお薦め。移民100周年を記念して日本の国会図書館が開設したサイトで、ネット上における移民100年史といって良い存在。これを読めば十分に移民史の流れが把握できる。国会図書館が作っているだけに、しっかりと検証された内容になっており、移民史の流れを豊富な写真や図表を見ながら読むことができる。

圧倒的な質と内容を誇る国会図書館「ブラジル移民の100年」https://www.ndl.go.jp/brasil/)のトップページ

3)ニッケイ新聞(https://www.nikkeyshimbun.jp/

2000年に入ってから昨年までの日系社会やブラジルの個々の動きを把握するなら邦字紙「ニッケイ新聞」サイト。03年から本格的に運用を始め、それから21年末に廃刊するまで、約18年間の日系社会の記事が基本的に無料で読める。サイト内検索をすれば、今世紀のブラジルの出来事の大半が、日本語で文字化されているという意味で貴重なデータベースになっている。

同紙が特に力をいれていたのは連載記事https://www.nikkeyshimbun.jp/rensai)。

中でもお薦めは、
*《ハイカラさん海を渡る=移民画家 大竹富江の一世紀》(https://www.nikkeyshimbun.jp/rensai/2013-especial/2013rensai-kojima5
*《(戦後移民60周年)=サンパウロ南開拓に殉じた元代議士 山崎釼二=『南十字星は偽らず』後日談》
https://www.nikkeyshimbun.jp/rensai/2013-especial/2013rensai-fukasawa1
*《「百年の知恵」=日系人とバイリンガル=多言語と人格形成の関係を探る》
https://www.nikkeyshimbun.jp/rensai/2008-esp/2008rensai-fukasawa-1
*越境する日本文化 マンガ・アニメ》(https://www.nikkeyshimbun.jp/rensai/2003-esp/2003rensai001)など。今読んでも興味深い。もちろん、ブラジル社会の記事も掲載されているが有料記事が多い。

4)ブラジル日報(https://www.brasilnippou.com/

2022年以降のブラジルや日系社会の記事はブラジル日報サイトで。まだデータ量は少ないが時間と共に内容が充実していくこと間違いない。

5)『多文化社会ブラジルにおける日系社会の実態調査(日系団体の活動状況フィールド調査からその意義と役割を探る)』(https://nw.org.br/report/

今現在の日系社会の実情を知るなら、このサイトが一番。サンパウロ人文科学研究所の日系団体実態調査では、調査員18人が2年半がかりで500カ所を訪問し、142項目に及ぶ聞き取り調査を実施した。サイトでは報告書全文が読める。

*ニッケイ新聞19年3月21日付《人文研調査=全伯で日本祭り88、盆踊り138=「会館拠点に日本精神発信」=地域社会で親日感情を醸成》
https://www.nikkeyshimbun.jp/2019/190321-71colonia.html)にある通り、非常に興味深い調査報告がされている。

*同人文研調査内容の一部を地図に落とし込んだサイト
http://nw.org.br/sistema/ctr_APIGoogleMaps_filtro/)。まず都市名を選べば、その場所にある日系団体と概要が表示される。

ブラジル日和(http://www.100nen.com.br/ja/radio/

ブラジル日本移民の本人から来伯した移民関係者まで歴史に残るような人物にインタビューした音声が、そのまま聞けるサイト。インターネット上のラジオ放送のような体裁になっている。本人の声が聞け、ラジオ番組のように生き生き和気藹々に語るので、肩が凝らず、面白く聞けるのが特徴。2005年に開始され、2019年までに実に204人に取材している。

ブラジル日和(http://www.100nen.com.br/ja/radio/)のトップページの一部

お薦めは

*《Vol.153「弓場農場3代目代表、常が語る」 弓場ルイス常雄さん》
http://www.100nen.com.br/ja/radio/000222/20120827008392.cfm?j=1)、

*《Vol.149「臣道連盟青年部、最後の決行員・日高徳一が語る」 日高徳一さん》
http://www.100nen.com.br/ja/radio/000215/20111228007845.cfm?j=1)、《Vol.116 *「丹下セツ子女剣劇士ブラジルへ渡る」 丹下セツ子さん》
http://www.100nen.com.br/ja/radio/000187/20090528005552.cfm?j=1)、《Vol.0
*「宮尾進、個人史を語る」 宮尾進さん》
http://www.100nen.com.br/ja/radio/000157/20070504003329.cfm?j=1)、
*《Vol.015「ブラジルで触れた明治の日本」 網野弥太郎さん》
http://www.100nen.com.br/ja/radio/000117/20051205001488.cfm?j=1)など。
すでに鬼籍に入った人も多く、大変貴重な音声証言となっている。

7)ディスカバー・ニッケイ(https://www.discovernikkei.org/ja/

世界中の日系人の動きを知るならディスカバー・ニッケイサイト。日系人のアイデンティティ、歴史、体験がテーマ。北米ロサンゼルスにある全米日系人博物館が運営しており、日系人の多様なストーリーや体験、見解を共有しあい、お互いの見聞を広め、つながりを深めることが目的。日本語、英語、スペイン語、ポルトガル語の4カ国語。日本財団の助成金によって運営され、同博物館のニッケイ・レガシー・プロジェクト(日系人の歴史保存プロジェクト)の主要事業となっている。

お薦めは

*《アメリカの日本語媒体 第7回 1903年創刊『羅府新報』- ロサンゼルスの有料日系紙》(https://www.discovernikkei.org/ja/journal/2021/11/8/rafu-shimpo/)、
*《南米の日系人、日本のラティーノ日系人 日本在住の日系人も老後の時期にきたのか》(https://www.discovernikkei.org/ja/journal/2021/11/15/nikkei-latino/)、*《若松コロニー: 第1回 初期移民の先駆者、柳澤佐吉—子孫の自宅で写真や史料発
見》(https://www.discovernikkei.org/ja/journal/2022/1/12/wakamatsu-colony-1/)など多数の記事が上がっている。
日系人に関する視野を広げるのに最適なサイト。

8)ブラジル日本移民史料館ヴァーチャルツアー(https://www.bunkyo.org.br/jp/%e3%83%96%e3%83%a9%e3%82%b8%e3%83%ab%e6%97%a5%e6%9c%ac%e7%a7%bb%e6%b0%91%e5%8f%b2%e6%96%99%e9%a4%a8bkp/

サンパウロ市にあるブラジル日本移民史料館の展示内容が、そのままバーチャルで見られるようにしたサイト。1978年に移民70周年記念で開設された同史料館には、多数の貴重な収蔵品が治められている。実際には3階に分かれて展示されているが、サイトにはクイックツアー動画も用意されている。21年4月にバーチャルサイトが設置され、同年末までに6万回以上も再生された。

9)米・スタンフォード大学フーヴァー研究所「邦字新聞デジタル・コレクション」(https://hojishinbun.hoover.org/?a=p&p=titlelist&e=——-ja-10–1–img———

米国カリフォルニア州スタンフォード大学の「邦字新聞デジタル・コレクション」「ジャパニーズ・ディアスポラ・イニシアチブ」のサイトでは、北米や南米の初期移民の発行した新聞を閲覧できる。同大学のプロジェクトにより、サンパウロのブラジル日本移民史料館が所蔵品をデジタル化して提供している。戦前の邦字紙の中でも「ブラジル朝日」「伯剌西爾時報」「南米新報」「日伯新聞」「日本新聞」「サンパウロ州新報」のデジタルデータが無料で閲覧できる。

米・スタンフォード大学フーヴァー研究所「邦字新聞デジタル・コレクション」(https://hojishinbun.hoover.org/?a=p&p=titlelist&e=——-ja-10–1–img———

10)ブラジル日本移民の乗船者名簿の検索リスト(http://imigrantes.ubik.com.br/

移民100周年のアシアト・プロジェクトにより、移民の乗船者名簿をデータベース化したもの。誰が何年にブラジル来たのか、誰と一緒に来たかなどを調べる際に、とても便利。

(11)ウルトラJ:チャンネル岡村淳 Ultra J : CANAL JUN OKAMURA(https://www.youtube.com/user/junchanbr/videos)/岡村さんのブログ(http://www.100nen.com.br/ja/okajun/

映像作家・岡村さんが撮りためた映像の一部が、ユーチューブで公開されている。本紙2月17日付《岡村淳さん、Youtubeで作品公開==「簡単に視聴できるように」》(https://www.brasilnippou.com/2022/220217-21colonia.html)に詳細がある。

お薦めは《岡村淳 作品予告集》(https://www.youtube.com/watch?v=ZTlpwILof0s)、代表作『うつろ舟』が日本でも出版されて評判となった《移民小説家 松井太郎さんと語る 西暦2011年編》(https://www.youtube.com/watch?v=buy5QEjzqJA)、《下手に描きたい/画家森一浩 ブラジルの挑戦(https://www.youtube.com/watch?v=l9AXC6hHXb0)など多数ある。どれも岡村さん独自の視点から切り取った移民の姿であり、とても興味深い。(深)