執筆者:ピーター藤尾(在チリ・サンティアゴ)
朝晩はともかく昼間は先週より少し暖かいサンティアゴでしたが、日曜日は霧雨になって初冬の雰囲気になりました。さて今日、サンティアゴマラソンがありました。日曜日は地下鉄は8時から走りますが、今日は特別で6時から運行が開始されました。選手が会場に7時に着けるようにとの特別手配です。
それから日本ラテンアメリカ協会のホームページにこのブログが掲載されはじめました。新しい読者が増えますね。誰かの役に立っているのはうれしいです。日本の歴史の話をさせてもらおうとある私立の学校とコンタクトを始めました。興味を持ってもらえるかな?
1) ボリッチ動向
2回目の国内視察は故郷のマゼラン州でした。プンタ・アレーナスで会議をし、その後、観光地のプエルト・ナタレスに行って観光事業の重要さを確認し政府の援助を約束しました。週末は両親の実家でのんびりしたらしい。灯油の価格が大きく上がっているので、それを抑えるため、政府は4千万ドルを投資して価格の上昇を防ぐと発表。灯油が上がれば、そのほかに暖房がない家族は多いですから、冬の生活に大きく影響します。
さて、ボリッチが大統領候補だった時、奨学金の返済ができない人を助けると約束しました。「せっかく大学に入り、勉強したのに、就職した時に、大きな借金を抱えていれば、通常の生活を送れないだろう。それを助けるため奨学金返済をしなくても良いような手段を取る」としました。新政権が発足して2か月になりますが、この件に関し、ボリッチは口をつぐんでいます。もちろん、彼の最大の最大の課題は社会不安・騒動の抑制でしょう。犯罪が増えて市民が落ち着いて生活できません。
それをクレームするトラック業界とは話し合っています。彼らの道路封鎖を違法行為として裁判所に訴えていますが、「それを取り消し、罰金などの刑を課さず、軍隊を利用して治安維持を図る」と言うのが合意事項になったようです。順調に封鎖が解放されるのかな?高校生の学校占拠問題は継続です。
2) 新内閣
24閣僚の中で5名だけ市民に知られているが、その他はほとんど名前も顔も知られいないと言う記事が出ました。なんだか私の感覚と同じです。私もその5名の他に一人だけ知っていますから、6名です。それ以外は誰も知りません。つまり私が普通の市民と言う証拠ですね???
その私の知らない一人の法務大臣リオスが、先年の社会騒乱の件で刑務所に入っている人間を政治犯として釈放したいとコメントしました。最右翼のUDI党首が何を言っているのだと噛みついています。私は騒乱で地下鉄の駅を壊すとか教会に放火するとかした犯人は政治犯とは思えませんが。
3) 新憲法委員会
今週、水利権と鉱山権の案が出来たようですが、どちらもチリの将来に大きな影響を与えますね。元上院議長のキンタナは9月に新憲法が否決されれば、もう一度、新憲法委員会の設立を働きかけることになるだろうとコメント。全く無駄な時間と金をかけるわけですね。
1) 消費者物価指数IPC
4月の数字は1.4%になり、過去12か月で10.5%を記録。これは1994年以来、過去27年で最悪の数字です。このまま続けばピークには13%まで上がると言われます。過去12か月で大きく価格が上昇した例として、ガソリン30%、新車22%、牛肉26%、観光ツァー56%、パン23%が挙げられています。食品価格の上昇はウクラニア戦争の影響で世界共通ですね。
このため中銀は公定歩合を大きく上げて8.5%に。噂ではもうすぐ10%まで上がりそうとか。昨年、消費が低迷しているとき8月まで公定歩合を0.5%とほぼゼロにして、消費を煽ったのですが、今はまったく逆です。ローンが組めないとマンション・家屋とか新車の販売は激減でしょうね。
2) 中銀経済月例( イマセック)指数
経済の動きを表すこの指数で2月は6.5%、3月は7.2%と好調な伸びを見せています。過去12月で8.5%。このままいくと素晴らしいですが。予想ではこの後は大きく下がるらしい。
3) 実質給料
昨年の実質給料は下がったとか。これは給料は7.4%上がったのですが、その指数がIPC9.4%より低かったので、実質賃金はマイナスになった由。それで先週の、最低賃金を大きく上げるアイデアが出たわけですね。
4)銅価格と為替
銅の価格は4.27ドルと先週の4.45から大きく下がりました。このため為替も1ドル856ペソから863ペソとペソ安が進んでいます。このまま銅価格が下落していけば、チリの近い将来は厳しいものになるでしょうね。すると社会騒乱がまたぶり返し・・・・
1) コロナ問題
低め安定です。新規陽性者は3千名くらい、陽性率は5%くらいが続いています。もっともその数字は先週より少し悪くなっているとか。
2) マプチェ問題
継続です。どこまで行くのか分かりません。最悪のケースはコロンビアの様に国の一部がテロリストグループに抑えられることになります。新憲法委員会で先住民の権利が確認されていますが、全く予断を許さないと言う状況です。
3)ガソリン供給問題
エナップ(国営石油会社)の下請け企業の社員がストに入り、ガソリンスタンドへの供給に問題が出ています。南のビオビオ州ではあと数日、これが継続すれば、ガソリンがなくなるとか。そのニュースが流れるとガソリンスタンドの前に車の長い列が出来ました。どうなるのかな?
1) サンティアゴマラソン
29000人の参加で華々しく実施されました。女性ランナーが1万人と過去最高の数字でした。今年のフルマラソンを勝ったのはチリ人でしたが、それは14年ぶり。いつもケニヤのランナーが勝っていました。今年の記録は2時間17分でした。レースの大半をテレビの実況で見ましたが、さすがに迫力ありますね。
最高気温が上がらず曇った日が続いています。洗濯ものが乾かないのが困ります。さて4回目のワクチン接種をしました。私はもう3回で十分だと思っていたのですが、4回目を打たない人の移動パスは来月から無効になると圧力がかかりました。それまではワクチン接種所は閑古鳥だったのですが、私と同じ考えの人が殺到し長蛇の列になりました。
1)ボリッチ動向
大統領府の広報でも、今週の彼の行動はほとんどありません。私の推定では、それは「俺はもう駄目だ」「どうして大統領の俺が言うことを他の人間は尊重しないのか」のどちらかでイライラしているのでしょう。問題は軍隊の使用です。トラック業界との合意で
道路の通行の安全確保のため軍隊を使用するとしましたが、それを国会が認証する必要があります。与党の中の新左翼が、「ピニェラと同じことを何故自分たちがやるのだ。俺は反対するぜ」とコメントしています。政府として「それはしません」と今まで言ってきたのを裏切るわけですね。
土曜日の新聞に、「市民の安全確保のため軍隊を使用すると言うアイデアを新左翼の抗議のため、政府は凍結しました。そしてキリスト教民主党DCのウォーカー議員に仲介してもらえないかと依頼した」と書かれてありました。私の想像もかなり当たっていましたね。それに少し関連していますが、犯罪の増加が目立ちます。今週は防衛大臣の家に泥棒が入り、ボリッチの護衛の人が誘拐されて金品をはく奪されました。
2)新憲法委員会
テレビの番組で、委員会の実情を紹介する番組がありました。右翼・左翼の委員が二人ずつ、そして評論家が2名隣のテーブルに座りました。私は憲法関連の単語や言い回しを全部理解できませんから、ところどころ理解不明ですが、それでも教育関連でこんな議論がありました。左翼側は公立学校の教育を重要視し、金持ちが行かせる私立なんかどうでも良いと言う感じの発言をします。なんとなく理解はできますが、現在、順調に活動している私立の学校を嫌がらせるのは納得できません。その他、厚生年金、水利権、上院議会とか問題が山積みと言うのは理解できました。
1)銅価格と為替
銅価格は急落です。1ポンド当たり4.11と4ドル近くまで落ちました。今年の銅鉱山への投資は2%減少するとニュースに出ました。その数字が当たっているかどうかは分かりませんが。この傾向では前向き投資はする気にならないでしょうね。中国の低迷がどこまで続くか分かりませんが、銅価格の急激な下落はチリに大きく影響します。これは経済の問題だけでなく社会全般に影響しますね。ウクライナ戦争で銅価格が下がったと言うのは間違いです。わずか1か月にもならない4月17日に4.71ドルまで上がっていますから。さぁどうなるかな?このため為替もペソ安が進み、1ドル868ペソです。
2)移民就労ビザ
2021年は97,800人と過去10年で最小でした。2018年は42.8万人とピークになりましたが。それ以降は派手に縮小しています。2012年は96000人でしたから、それが今までは普通だったのですね。チリ経済が上向きになって、移民がチリに行けば夢がかなうと殺到するようになったのですが、3年前の社会騒乱でその夢は消えました。おまけにコロナ問題が重なって。過去10年で就労ビザを取得した移民は1位がべネスエラで50万人、次いでペルー36万人、コロンビア31万人です。中国が10位で2.5万人と言うのが目立ちます。
1)コロナ問題
火曜日は新規感染者数が1462人でした。水曜日は3048人、木曜日は4333人。これにともなって陽性患者数も1万人を割っていたのに1万5千人を超えています。シノバック社がサンティアゴのキリクラ地区に薬品工場の建設を始めました。コロナワクチンだけでなく、インフルなどの薬も製造するらしい。
2)マプチェ問題
毎週同じで、住居や個人への攻撃が続いています。政府が出した案に関してマプチェの最も攻撃的なグループCAMが、それは絶対に認められない。自分たちは身を守るため、銃器を使った自衛をさらに強めるとしています。
3)学生運動
有名学校の国立学院の占拠問題が解決しそうですが、校舎が壊されているとかで、来週から授業が始められるのかな?それとは関係ありませんが、チリ大学の学長に女性が就任しました。180年の歴史で初めてのことです。
4)大気汚染
先日から汚染を少なくするため、古い車の通行が制限されています。先週1週間で、規則を守らず走行して捕まった車は5千台とか。罰金ですね。
私の好きな街路樹リキダンバルの紅葉が進み、多くの葉が地面に落ちています。朝晩は気温が下がっても、穏やかな初冬と言う雰囲気のサンティアゴです。
1)ボリッチ動向
先週と同じです。公報で彼の動向として、南米スポーツ青年大会で活躍した選手をモネダに招待して祝福したとなっています。彼の人気がないと言うのは世論調査で頻繁に報告されますが、就任1年までは軽々しく批判するなと言うコメントもありますし、逆に4年の任期を全うできないで途中で投げ出すのではと言うきつい意見もあります。
彼の現在の最も重要な事項は市民生活の安全保障ですが、南部の州を特別区として軍隊のサービスを使用し始めました。左翼の社会党と最右翼のUDI党が幹線道路のパトロールだけでなく市民の生活を守るよう一般道路・市民地区のコントロールもすべきではないかとしています。右・左の意見の一致です???結局、今まで批判してきたピニェラ方式と同じことをやり始めたわけです。
キリスト教民主党DCはボリッチに市民の安全保障に関し文書を提出しました。今まで中道左派の中でDCは中心政党だったのですが、この内閣では蚊帳の外で、まるで野党のような振る舞いです。この他では、土曜日の海軍記念日に彼は隣州のバルパライソを訪問し、海軍パレードを見ました。コロナ問題で2年続けてそのパレードは中止されていました。その日は太平洋戦争のイキケの戦いの記念日です。彼は、海軍はチリ国家の安全確保のため最も重要な組織の一つだと演説しました。しかし海軍の上部の一人が、チリ海軍にとって脅威になるのは隣国の侵略かチリ国内の混乱だろうと政治批判をしています。アジェンデの思い出でしょうか?
2)新憲法委員会
中心委員が北部のアントファガスタを訪問し、現地と交流したほか、新憲法草案を発表しました。元大統領のバチェレットが新憲法案の成立を全力で応援したいとしています。
新聞社説で新憲法の経済部門を調べれば、将来の外部からの投資・経済成長率にマイナスの影響を与える可能性があり心配されるとされました。投書欄には1973年のアジェンデ内閣の時、エラーをしたグループ(共産党など)が同じことをこの新憲法で実行しようとしていると心配の声。どうなるかな?それから教育問題で、政府の援助で運営されている民間校に援助が行かなくなったら、当然、閉校になるわけで、それは望ましいことなのか?と記載されました。
9月4日に新憲法投票がありますが、その前に賛否両方のプレゼンテーションをテレビでしますが、各政党ともすっきりイエスともノートとも言えないとか。それは同じ政党の中でも賛否の意見があって単純にイエスともノーとも言えないからとか。社会混乱・騒動が再燃しないことを願いますが。今日からイエス・グループが活動を始めたとニュースに出ました。歌手とか俳優のグループで、新憲法で私たちの自由を守ろうとしています。
1)銅価格と為替
1ポンド当たり4.3ドルと先週より大きく上がりました。このため為替も1ドル842ペソとペソ高になりました。中国経済問題がはっきりしてきたので、銅価格が減少したと、先週、説明されましたが、わずか1週間で銅価格が元に戻って来たと言うことは中国は
それほど危険な状況ではないと言うことですね。プロの言うこともあまり信用できませんね。つまり銅価格の変動は誰かが動かしているのでしょう。買いに出るか売りに出すか。
さて経済活動の一つに住居の建設販売がありますが、国立銀行が大広告を出しました。購入価格の80%までを20年期間の貸し出しをするとし、金利はUF建てで年3.85%の金利です。UF建てと言うのは物価が10%上がれば貸し出された金額も10%上がります。今の所6500万ペソの貸し出しでは毎月41万ペソほどの支払いになります。
少し前のチリの風に給料が上がっても物価上昇率IPCより低いので実質的には給料は下がっているとありましたが、その問題をなくすため、給料をIPCに関連したUF建てにしようとする動きが出ています。それが成立すれば、給料の安定は確保ですね。また税務局のトップがボリッチ政権の終わる前に現行の消費税20%を14%に下げたいと発表しました。ボリッチも頑張らなければ国民の評判は上がりませんからね。
1)コロナ問題
何とこの木曜日、新規感染者数が6000人を超しました。陽性者数の合計は2万人まで上がっています。このまま加速すれば、確かに第5波になりそうです。また外出禁止令とかになるのかな?
2)マプチェ問題
ボリッチが幹線道路に軍隊使用を発表すると、直ちに、反政府マプチェは道路の封鎖、車両への銃撃と政府のやり方は納得できないと行動を開始。毎日の様に事件が起きています。どこまで行くのかな?内務大臣は、わが政権は軍隊を出してマプチェを殺しに行くことは考えていないと場違いなコメント。その女性内務大臣を憲法会議に訴えようと共和党が申し出ましたが、右翼の中で合意に達しません。その党はボリッチに敗れたカストが作った党です。
市民生活の安全保持の件に関して、ボリッチは首都圏の中央駅区にあるメイグ地区にある不法露店を一掃しました。そこは道路にテントを張って自分の所有地のようにして店を構えていたわけです。道の両側にそれがあったので車はその道を走れませんでした。
今年のメーデーの時、その近くで露天商とデモ隊がぶつかり、彼らの発砲した弾丸に当たったマスコミ関係者が死亡しました。犯人はまだ逮捕されていませんが
銃を撃っているのはビデオにとられています。そして今週、とうとう政府は動いて、彼らのテントを全部、取り払いました。夜のニュースで、全く、誰もいなくなった道路が報道されました。しかし、次の日、彼らは机を持ち出し、また商売を始めました。警察は何をしているのかな???それから、政府は市民の銃の所持を禁止しようとしているみたいです。現在は、正規の銃器販売所で購入し届け出ると銃の所持が認められます。それを廃棄しようとするわけです。その法案が通ると、怪しい場所で歩行者を調べて銃を持っていれば全員逮捕出来ます。犯罪の数は激減するでしょう。そうなるとボリッチの人気は上がるはずです。
3)イースター島
8月1日から一般観光客が島を訪問できそうです。この2年超の期間、観光客が全く入れなかったので、島の唯一の産業たる観光が閉ざされ、生存の危機です。町はボリッチの訪問を要請していますが、彼は故郷のパタゴニアは行きましたが、イースター島には反応していません。収入がなく、島にはほとんどない野菜果物などの食品は本土から入れるわけですが、それが極端に減少し、価格が上がれば島民の生活は破産になるのは当然ですね。どうしてそこの所属する第5州、そしてチリ政府が真剣に島民の保護・援助をしてこなかったのでしょうか? 以 上
「2022年5月23日~29日」
先週と似たような天気の毎日が続くサンティアゴです。最高13度、最低気温は3度くらいの日が続いてます。来週はもっと寒くなってマイナスになり、何日か雨が降りそうとか。天気予報が当たるかな?
1)ボリッチ動向
タイムス誌で今年世界で注目される100人が発表されましたが、その中にボリッチの名前がありました。目立って活躍したと言うより、超若手の大統領と言うことで注目されたのではと思いますが、どうでしょう。チリ国内で ボリッチを支持すると言う層は50%ですが。彼が大統領特例として南部に軍隊を派遣したことを評価するのは77%です。つまり右翼・中道、そして一部の左翼が賛成し、共産党と新左翼がそれに反対しているようです。共産党の党首は「軍隊を派遣すると言うのは危険が伴う」と反対の声明を出しています。
土曜日、2年ぶりに文化財の日が復活して、全国各地であちこちの場所が市民に開放されました。その中で、モネダ宮殿も一般市民が入るのを認めました。ボリッチはそこにいて市民と一緒に写真を撮らせたりして歓迎しました。さてその前に、彼はモネダ宮殿に労組代表などを招待して、最低賃金のアップを祝いました。歴代の政府の中で、今回ほど大幅アップをしたケースはないとコメントし、参加者から拍手を受けました。庶民援護の一つとして、今週、灯油の値段を平均300ペソも下げました。ガソリンスタンドによって少し差はありますが,1300ペソだったのが、突然1000ペソに下がったわけです。ボリッチの評判が上がるかな?
2)新憲法委員会
9月4日に新憲法の是非を問う国民投票がありますが、それを受けて国会で認証するかどうかの討議が行われますが、見通しは困難です。これを応援するバチェレット元大統領は現在国連の人権部門のトップですが、2005年以来初めて、中国に入国し調査をすることになりました。6日間の滞在でしたが、調査はあまり進まなかったようです。もちろん中国政府は内政干渉をするなと軽くあしらいました。
1)チリ国の危険度
JPモルガン社の調査で、チリの危険度は4月の場合、危険度が減少と良い評価だったのですが、5月は逆になりました。経済成長率の低下、インフレの継続、金利の上昇などが問題のようですが、もちろんボリッチ政権の評価、新憲法委員会の動きなどがマイナスの動きになったのでしょうね。
2)小売業界
消費者の動きですが、首都圏では動きがはっきりしています。今年4月の売れ行きは前年対比66%のアップでした。すごい売れ行きだと思うのは間違いです。昨年の4月は外出禁止令が出て、店は閉まっているし、買い物に出られなかったわけですから。コロナの始まる前の2019年より1%下です。同じように1-4月の合計でも今年は17%の上昇ですが、2019年より2%マイナス。まだ元に戻っていないわけです。それとは違って株式市場は上昇中です。5,388ポイントまで上がり、それは2019年2月以来の高い数字です。今年の第1四半期は上場企業の80%が前年対比で良い記録を残しています。
3)銅価格と為替
銅の価格は1ポンド当たり4.26ドルと先週とほぼ同じでした。為替は1ドル829ペソとすこしペソが強くなりました。このまましばらく安定してほしいです。
3)厚生年金の運営
チリは各自が積み立てた金を年金運営会社が投資するわけですが、先月の結果は一番危険の多い(従って見返りも大きい)AランクからDランクまで全部マイナス成長、ただ一番安全なEランクだけがプラス成長でした。このシステムが開始してからの長い期間でマイナス成長になったことはほとんどありませんから、今年の後半にかけて少しは良くなっていくでしょう。
1)コロナ問題
水曜日、新規患者数が6000名を越えました。それが木・金・土・日と7000名を越えました。毎週、数が増えていますね。どういう手を打てばよいのでしょうか。前政権の時は毎日、厚生大臣が状況説明の場を作っていましたが、新政権は外から見るとかなりのんびり働いています。コロナワクチンは何回も打つと自然免疫を破壊すると言われています。私はそれに乗って4回目の接種は止めようと思っていたのですが、それまでの移動パスが無効になると脅されて4回目を打ちました???さてチリでこの問題はどう進んでいくのでしょう。
2)マプチェ問題
第9州アラウカニアで林業会社の従業員の乗ったバスが攻撃され多数の負傷者が出ましたが、その中の一人は死亡しました。殺すつもりで射撃してくるのですね。これが大きなニュースになったら、翌日、北隣の第8州ビオビオで同じような事件が起きました。もう止まりませんね。キディコの警察署にも銃を持った70名が襲撃をかけました。つまり、一つの町にマプチェのグループが集合しているのではなく、その2州にはどこへでも攻撃をかけられる力を持っているわけです。
今日の新聞の特集記事でWAMの紹介がありました。WAMと言うのはマプチェの言葉で反乱軍の戦いと言う意味ですが、自分たちのグループの名前に反乱と言う言葉を使うのは変わっていますね。正義の戦いと言うのならわかりますが。そのグループはマプチェの武装組織CAMから分裂したとかで、WAMのリーダーはまだ表に出ていません。昨年、ピニェラが同地区に軍隊を派遣すると決定した時、彼らは警告のビデオを発表しましたが、40名ほどの組員が銃器をもって戦い宣言していました。住居、車両への攻撃・放火や警察・軍との戦いも記録されています。
まるでコロンビアの反政府ゲリラのように組織が勢力を上げてきているのが感じられます。ボリッチが話し合って解決したいと言うのは甘いでしょうね。もっとも彼らにすれば今から200年前にチリが独立した時、今の第9州アラウカニアはチリ領土に入っていなかったわけで、その後、チリがマプチェの領土に勝手に入ってきて武力で取り上げたのは歴史的にはっきりしています。
これに関連しているかのように高校生の暴力デモが継続です。サンティアゴの中央道路アラメダ通りを走る公共バスに攻撃をかけ、乗客を降ろして火炎爆弾で放火。バスは燃え上がりました。その放火事件は白いオーバーオールを付けたグループが実施したのですが、警察がその中の二人を逮捕しました。二人とも近くの高校の生徒でした。そのグループは極左のテログループに関連しているとか。3年前の社会騒乱の時と同じですね。
金曜日に同じような暴力デモが怒り、公共バスへの放火が起きました。どうして逮捕できないのか、逮捕した人間を調べてそのグループを解体できないのか不思議です。テレビのニュースにそのデモ隊のビデオが出ますが、顔が映っている人間もちゃんといますからね。
3)身分証明書RUT
チリ人は10年ごと。移民は5年ごとに証明書の更新が必要です。それが市民登録所がうまく機能しないので、更新手続きが、たまり続けて250万人が期限切れの証明書を持っているとか。私は少し前に更新しましたが、ほとんど待たされることもなく手続きが終わりました。ラス・コンデス区の事務所はしっかりしています。政府はこのため1年間、古い証明書を有効にすると発表しました。
以上