『古代遺跡大図鑑 Newton大図鑑シリーズ』 森谷公俊・鶴間和幸・中村誠一監修 - 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

『古代遺跡大図鑑 Newton大図鑑シリーズ』 森谷公俊・鶴間和幸・中村誠一監修


世界の遺跡を辿ると歴史の時間の縦軸と国や王朝間の攻防・支配の横断した勢力があったという横軸が見えてくる。一つの国や文化が生まれ衰退することが、後に生まれる国や近隣諸国とどう影響しあってかを地域毎に、人類の歴史の痕跡である遺跡を見ることによって、たとえ文字が残っていなくても今日まで続き繋がっている文化を通じて世界の歴史を知ることが出来るという意図で編まれた図鑑。

冒頭に紀元前5世紀頃のアケメネス朝ペルシャ支配から紀元11世紀のトルコ系イスラーム王朝、さらに東西キリスト教の勢力図まで9点の地図により、国家が生まれ権勢が移り変わった推移、地域別にどのような支配があったかを年代別に並べた世界史対照年表を示している。

アメリカ大陸・オセアニア地域の古代遺跡は、イースター島、オルメカ文明を初めとするメソアメリカ文明、南米ペルーのカラル、チャビン・デ・ワンタル、ナスカの地上絵、マチュピチュなどのインカ文明についての14項と、マヤにはトウモロコシの神がいることをコラムで紹介している。いずれも美しいカラーの地図、図版、写真でビジュアルに解説していて分かり易い。

〔桜井 敏浩〕

(ニュートンプレス 2022年4月 208頁 3,000円+税 ISBN978-4-315-52533-5 )