【演題】JBICのラテンアメリカ業務の現状と今後―資源エネルギー分野での取り組み
【講師】稲葉 裕 常務執行役員/資源ファイナンス部門長(兼南米・カリブ地域担当)
【日時】2022年9月29日(木) 10:00~11:30
【場所】オンライン
【参加者】51名
稲葉氏はJBICに入行後20年余にわたってラテンアメリカ関連業務に携わってこられた。講演はそうした稲葉氏の経験から、①1980年代の債務危機後の1990年代のブレディプランによる債務問題解決、②中南米が持つ大きなポテンシャルに対するアプローチとしてのインフラ・資源開発に関する具体的案件の紹介、③脱炭素社会に向けた再生可能エネルギーや水素・アンモニア関連プロジェクトに関する各国の最近の取組み状況の紹介、等広範な内容に及んだ。
最後に、水素・アンモニア等次世代エネルギーに対応するために最近導入された制度的枠組みが紹介された。それらは、資源ファイナンス部門に「次世代エネルギー戦略室」を創設したこと、国際協力銀行施工令の改正により、水素に加えて燃料アンモニアを「重要資源」とし、資源金融の適用を可能にすると共に先進国における水素・燃料アンモニア事業への支援を可能にしたこと、「グローバル投資強化ファシリティ」を創設し日本企業の地球環境保全やバリューチェーン強靭化への支援を行うようになったこと、等である。
質疑応答では、最近の米州での左派政権の誕生の影響、水素プロジェクトの経済性、ラテンアメリカに対する期待等に対する質問に対して丁寧にお答えいただいた。
非常に分かり易いお話しであると共に、充実した資料のご提供を頂いた。
稲葉 裕JBIC常務執行役員/資源ファイナンス部門長「JBICのラテンアメリカ業務の現状と今後―資源エネルギー分野での取り組み」講演会配布資料/録画