【季刊誌サンプル】ウクライナ情勢を踏まえた南米南部における飼料用穀物の動向 林 瑞穂(農林水産政策研究所 主任研究官) 古橋 元(同 食料需給分析チーム長) | 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

【季刊誌サンプル】ウクライナ情勢を踏まえた南米南部における飼料用穀物の動向 林 瑞穂(農林水産政策研究所 主任研究官) 古橋 元(同 食料需給分析チーム長)


ウクライナ情勢を踏まえた南米南部における飼料用穀物の動向

林 瑞穂(農林水産政策研究所 主任研究官)

古橋 元(同 食料需給分析チーム長)

本記事は、『ラテンアメリカ時報』2022年秋号 (No.1440)に掲載されている、特集記事のサンプルとなります。全容は当協会の会員となって頂くか、ご興味のある季刊誌を別途ご購入(1,250円+送料)頂くことで、ご高覧頂けます。

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ウクライナ情勢を踏まえた南米南部における飼料用穀物の動向 林 瑞穂(農林水産政策研究所 主任研究官)・古橋 元(同 食料需給分析チーム長)

はじめに

2022年2月下旬に勃発したロシアによるウクライナ軍事侵攻は、当事者である両国が世界で有数の小麦輸出国であることからこの農作物に係る国際市場に大きな衝撃を与えた。その結果、同侵攻後の3月上旬にシカゴ商品取引所において1ブッシェル(約27kg)当たりの小麦先物価格が13ドルを超えて史上最高値を記録するに至った。また、ウクライナはトウモロコシの世界的な産地でもあることから、トウモロコシ価格においても2012年来の高水準で推移するようになった。2022年8月末時点の穀物等の国際指標価格に一服感があるものの、ウクライナ情勢のほかに食料需給の構造的要因から引き続き歴史的な高値圏で推移している品目もあることから、国際市場は、安定的な穀物等の供給余力とポテンシャルを有する南米南部の動向に着目している。したがって、本稿では、世界食料需給における南米南部の重要性を指摘するほか、ウクライナ情勢を踏まえた、アルゼンチン・ブラジルに代表される南米南部の飼料用穀物(トウモロコシ・大豆)の生産や輸出動向を中心に考察したい。

世界の食料需給における南米南部の位置付け

南米南部は、農産物および畜産物において、現在も主要輸出国を抱え、農林水産政策研究所が2022年3月に公表した「2031年における世界の食料需給見通し」1によれば、将来的にも大きなポテンシャルを持っている。そのため、同地域は世界における農産物および畜産物の需給において極めて重要な位置にある。まずウクライナ侵攻が勃発する前の牛肉、トウモロコシ、大豆の輸出市場における同地域の位置付けを、米国農務省海外農務局(PS&DOnline)に
よるデータを基に確認したい。

(1)牛肉

牛肉の国際市場について(表1)、世界の貿易量(輸出量)が2000-02年平均の610万トンから2018-20年平均で1109万トンになり、約1.8倍まで増加した。上位輸出国をみると、2000-02年平均で、豪州が135万トンの輸出量で22%のシェアを占めてトップとなり、次いで米国、ブラジルがそれぞれ109万トンの18%、70万トンの11%のシェアで続いていた。

2018-20年平均では、ブラジルが21%のシェアでトップなり229万トンまで輸出量を拡大している。次いで、豪州とインドがそれぞれ160万トンの輸出量で14%、143万トンで13%のシェアで続いている。アルゼンチンは69万トンで6%のシェアを占めて6位となり、ウルグアイとパラグアイがそれぞれ43万トン、35万トンの輸出量で上位10か国に入っている。南米のブラジルとアルゼンチンだけでなく、ウルグ