講演会報告:JICA中南米3所長帰国報告会 殿川 広康セントルシア事務所長/三田村 達宏キューバ事務所長/中川 岳春ペルー事務所長 2022年11月2日 | 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

講演会報告:JICA中南米3所長帰国報告会 殿川 広康セントルシア事務所長/三田村 達宏キューバ事務所長/中川 岳春ペルー事務所長 2022年11月2日


【演題】JICA中南米3所長帰国報告会
【講師】殿川 広康セントルシア事務所長(2021/4~2022/8)
    三田村 達宏キューバ事務所長(2019~2022/9)
    中川 岳春ペルー事務所長(2019~2022/9)
【日時】2022年11月2日(水)10:00~11:30(日本時間)
【場所】オンライン
【参加者】101名

 殿川所長からは「東カリブの現状と今後の協力の方向性」と題して、(1)所管国(10カ国)概要、(2)主な取組み、(3)今後の協力可能性、についてお話があった。まず、所管国である東カリブ10か国の課題として、①災害に対する脆弱性、②島嶼国特有の狭小性、遠隔性、③観光に依存する産業構造、等6項目を挙げられ、これまでJICAが取り組んできた事業内容(環境・防災、水産等)を紹介、最後に今後の協力の可能性として保健・衛生、民間セクターの強化・開発、再エネ・省エネ導入を挙げられた。

 三田村所長は「現場で感じたキューバの変革と今後の支援の方向性」と題し、①見えにくいキューバの実態、②重点分野と主な取組み、③今後の取組み、についてお話された。「キューバ支援は何のためか?」という悩みがあるとのお話は印象深く、そうした中で、今後の協力支援のための取組みとして、経済改革のための人材育成ニーズの把握のための調査や新規案件の形成・検討を挙げられた。さらに「方向性を見通せない中で見えてきたもの」として、計画経済の現状や民間セクターの誕生等々について興味深いご説明があった。

 中川所長には「ペルー日系社会について」と題し、ブラジル、米国に次ぐ日系人約10万人を擁するペルーの日系社会の特徴を、特に歴史的な観点からお話いただいた。ペルー日系社会の特徴は、JICA(移住事業団を含む)の支援をほとんど受けていない、沖縄からの移民が大多数を占める、現地社会に溶け込んでいる、日本語・日本文化の継承の重要性が認識されている、等であるという。1970年代に始まった日本への出稼ぎにより、現在約5万人の日系人が日本に居住しており、今後とも日系社会との連携・サポートが不可欠とのご指摘があった。

 最後に、東カリブ諸国での水産無償協力、ペルーに対する無償資金協力、日本の経営コンサルタントが注意すべきポイント、青年海外協力隊経験者の可能性、JICA事業への中国の進出、人材としての日系人(ペルー)、社会主義からの脱出経路(キューバ)、中央銀行が有するデジタル・キャッシュ(セントルシア)等々に関して多くの質問が出され、講師から丁寧な回答があった。

JICA中南米3所長帰国報告会講演会配布資料については、下記のダウンロードリンクよりご確認頂けます。(会員限定)

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