米国の作家と詩人がヤーヘと呼ばれる究極のドラッグを求めて南米の僻地まで入り、様々な見聞、体験を互いに書き送った。いろいろな麻薬、幻覚剤の試飲や男色など社会規範からはずれ、あるいは身体や社会的身分に関する差別的用語が飛び出す。
ビートニク文学の旗手だという二人のやり取りは、どこまでが実体験でどこからが創作か判らず、文学的価値は紹介者には分からないが、とにかくコロンビアやペルーの片田舎まで入りこんだ見聞、南米社会についての冷静な洞察は興味深い。
〔桜井 敏浩〕
(河出書房新社−河出文庫 224頁 2007年9月 720円+税)