『パラグアイのサバイバル・ゲーム —世界一親日国の秘話』 船越 博 | 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

『パラグアイのサバイバル・ゲーム —世界一親日国の秘話』 船越 博


1988〜92年の3年3ヶ月、パラグアイにある大使館に在勤した外交官(現在は関西外語大教授)の思い出。それまで英語圏が多かった著者が、初めてラテンアメリカに着任した早々、大使の不在中に昭和天皇の崩御に関わる儀礼に直面する。1954年のクーデターによる政権奪取以来その座にあるストロエスネル大統領の突然の弔問来訪は、親日国の面目躍如であったが、自らの参列を強く望んでいた大喪の礼直前、ついに35年間君臨した独裁者追放の軍事クーデターが起き、大統領一家はブラジルへの亡命を余儀なくされた。

ストロエスネルのそれなりに評価し得る施政と成果、側近たちの腐敗と与党内の権力闘争、クーデターに踏み切ったロドリゲス将軍とストロエスネル家の姻戚を含む長い関係など政変を分析しているが、その背景にあるパラグアイの近代史概要、パラグアイ政府、議会、司法などの各分野に培った人脈など、さすがに現地大使館の次席として第一線での外交活動をしてきた著者ならではの解説であり、大使館の日頃の外交活動の一端を窺うことが出来る。

(創土社187頁2007年12月1500円+税)

『ラテンアメリカ時報』2008年冬号(No.1381)より