『世界史史料 7 −南北アメリカ 新住民の世界から一九世紀まで』 | 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

『世界史史料 7 −南北アメリカ 新住民の世界から一九世紀まで』


米大陸全般の歴史を広い視点からたどるための史料集。 先住民文化から植民地社会形成、19世紀の経済発展と社会変容まで、重要な関連史料の抜粋邦訳が系統別にコンパクトな解説と組み合わせており、大変有用な資料集であるとともに、歴史読み物として拾い読みしても興味深い。

マヤ、アステカ、インカ文明に関する記述から始まり、ラス・カサスによるインディアス論争、ジャガイモ、トウモロコシをはじめ旧大陸になかった新しい食物の発見、イエズス会の布教村、植民地社会の形成、ハイチが先鞭を付けた各地域の独立と革命、貿易と大土地所有制、ラテンアメリカにおける国民統合、そしてパナマ運河建設にみられる米国の膨張と米州関係に至るまで、米州の歴史を形成した様々な史料が収められている。それぞれの分野の専門家が原史料から新たに訳し解説を付している。

コロンブス到来前から20世紀初めまでの、それも南北アメリカの長い歴史を凝縮したことから、それぞれの史料抜粋と解説とを合わせても2頁足らずであり、いささか物足りなさを感じさせる部分もあるが、アメリカ大陸の歴史の流れを原資料の一端に触れて読むことができ、是非手元におきたい有用な史料集である。

(歴史学研究会編岩波書店2008年3月414頁 4000円+税)